カープの未来を担う若手選手の2021年の決意をお届けする蔵出しインタビュー企画。今回取り上げるのは、プロ4年目の今季、初安打・初本塁打・初打点など、一軍で初モノが続く中村奨成。今年5月に行った独占インタビューから、未来を動かす中村の言葉をお届けする。(広島アスリートマガジン2021年6月号で行ったインタビューをもとに編集)

今季から、持ち味の打撃を活かすため、捕手以外のポジションに挑戦している中村奨成選手。

◆プロでの成長を支える恩師・中井監督の教え

─プロとしてやっていくうえで心に刻んでいる座右の銘を教えてください。

「『常に謙虚に』という言葉ですね」 ─その言葉を選んだ理由は何ですか? 「高校(広陵高)の時から、その言葉を恩師である中井(哲之)監督からかけてもらっていて、『どんな時でも謙虚な気持ちでいることは大事だよ』と言われ続けてきたので、野球をやっている間は、その言葉を大切にしてプレーしたいと思っています」

─これまでの野球人生で挫折を経験したことはありますか?

「今のように、なかなか結果が出ない苦しさはありますけど、挫折という感覚を経験したことはあまりないですね」 ─思うような結果が出ない時はどういう心構えでプレーしてきたのですか? 「とにかく前向きな気持ちを持って、ネガティブにならないようにという意識を常に持ってやってきました」

─結果を求めている時、試合前に願掛けはされますか?

「僕はそういうのは全くないですね」

─ルーティンなどはありますか?

「一つだけあります。打席には必ず右足から入っています。調子が良い悪いに関わらず、そこは変えずにやっていますね」

─右足から入るのは何か理由が?

「全然ないですね(笑)。ずっとそうやってきたので、習慣付いています」

─では他の選手にここだけは負けない自分だけの武器を教えてください。

「うーん、そうですね。武器と言えるかは分かりませんが、首脳陣やファンのみなさんにアピールしていきたいのは走攻守の三拍子が揃っているところ。打撃だけではなく、守備でも走塁でも全ての面で活躍できる選手になるのが目標です」

─カープのなかで絶対に負けたくないライバルを教えてください。

「それはたくさんいます。捕手でいえば、アツ(會澤翼)さんと坂倉(将吾)さんをずっと目標にしていますし、今では石原(貴規)さんもいます。また、外野をやるにしても、(鈴木)誠也さんや(西川)龍馬さんなど、超えなければいけない人は多いですね」

◆プロフィール
中村奨成 22
■なかむら・しょうせい ■1999年6月6日生(22歳)■181cm/81kg   
■右投右打/捕手 ■広島県出身 ■広陵高-広島(2017年ドラフト1位)