貴重なリリーフ左腕として活躍を続ける塹江敦哉。昨季一軍でチーム2位の52試合に登板。19ホールドをマークし、存在感を示した。今季も開幕から勝ち継投を任されていたが、6月に入ると不安定な投球が続いた。6月の月間防御率は7.45。救援失敗が続き、7月からは二軍での調整を余儀なくされた。しかし、後半戦から一軍に合流。どんな場面での登板でも全力投球で応えている左腕が、夏に、二軍の本拠地・由宇球場で話してくれた決意を再収録する。

後半戦、リリーフとして活躍する塹江敦哉投手。

◆巻き返しへ大切なのは結果のみ

─一軍復帰に向け二軍で取り組んでいることを教えてください。

「一軍で投げているときは相手に研究されているのかなと思うこともありましたが、二軍に来て改めて今季の投球を振り返ると、純粋に球自体に力がなく精度も低かったなと感じました。なので二軍では球のキレを取り戻し、良い球を投げる確率を上げていくことを意識して取り組んでいます。また、実戦でも一軍の終盤で投げる想定でマウンドに上がるように心がけています。終盤の緊迫した場面で自分の持っているパフォーマンスを発揮できるかが大事なのでその準備だけはしていくつもりです」

─昨年は一軍でフル回転だっただけに、塹江投手にとっては由宇球場での調整は久しぶりですね。

「鍛え直すには最適な場所だと思います。ただ、由宇球場にあまり良い思い出はないですね(苦笑)。あるのは苦い記憶ばかり。試合でアウトが取れなかった悔しい経験は今でも頭に残っています。だからこそ、ここに来ると自分を見つめ直せるのかもしれません」

─首脳陣にはどんな点をアピールしていきたいですか?(8月13日に一軍再昇格)

「今年で7年目ですし、球やキレをアピールする年齢でもないと思っています。なによりも大切なのは結果。昨年から我慢して一軍の試合で使ってもらっていたと思っているので、なんとか後半戦、結果で返したいと思います」

─後半戦も連戦が続くだけに、塹江投手の存在がきっと必要になるときがくると思います。

「昨年の後半戦は、チャンスをもらいながら不甲斐ない結果に終わる登板が多かったので、今年は、その後半戦でチームに貢献したいという思いがあります。二軍で良いものをつかみ、次に一軍に呼ばれたときには、自信を持ってマウンドに上がれるように準備していきたいと思います」

◆プロフィール
塹江敦哉 36
■ほりえ・あつや    ■1997年2月21日生(24歳) ■178cm/92kg  
■左投左打/投手 ■香川県出身    ■高松北高-広島(2014年ドラフト3位)
左腕から繰り出す150km近い速球が魅力。昨年は主にセットアッパーとして52試合に登板し、勝利の方程式の一翼を担った。