今季、一軍の開幕ローテに入るところまでは順調だった。しかし、3試合連続で大量失点を喫し3連敗。それ以降、中村祐太は、二軍で過ごす日々が続いている。昨季、一軍で8試合に先発。3勝をあげ防御率は2.31と結果を残しただけに、今の現状は、何よりも本人が悔しいはずだ。ただ、二軍ではチームトップの6勝。9月21日の阪神戦(二軍)では6回1失点と着実に結果を残している。リベンジを期する右腕が、8月上旬に話してくれた一軍への思いを再収録する。

二軍でチームトップの6勝をあげている中村祐太投手。

◆二軍でトップの6勝。直球の質で勝負を挑む

─二軍での成績を見ると、結果がついてきています。手応えを感じている部分はありますか?

「ファールがとれる質の良いストレートを磨くことを念頭に置いてやってきましたが、試合を重ねるごとにストレートが良くなっている手応えは感じています」

─目指すのは昨季一軍で投げていた、ノビもあり制球も定まった力強いストレートですね。

「昨年の後半はストレートでしっかりファールがとれたので、投手有利のカウントで攻めていくことができていました。ただ今年は、変化球でかわしながらの投球になっていたので、もう一度ストレートの質を見直しました」

─変化球は昨年と同じように投げることができていますか?

「ある程度はイメージ通りに投げることができているので、変化球を活かすためにもストレートの質を上げていかないといけません」

─二軍投手コーチからはどんなアドバイスを受けていますか?

「一番はメンタルの部分ですね。大量失点を喫してしまうケースが多いので、最小失点で切り抜けられるようにマウンドで気持ちを切り替えないと、一軍でまた同じ失敗をしてしまいます。たとえ失点をしても、そのイニングを最小失点で切り抜けることができれば攻撃にも良いリズムが生まれると思うので、そこは二軍でも意識して投げていきたいと思っています」

─由宇での経験が後半戦に活きることを期待しています。

「プロ1年目から由宇球場ではたくさん走り込みをしてきました。とにかく練習量が多かったので、由宇に来ると、それだけ練習しないとプロでは戦っていけないんだと覚悟した頃の気持ちを思い出します。しっかりとレベルアップして、もう一度、一軍登板のチャンスをもらった時には、4月の頃とは違う自分を見せたいですね」

◆プロフィール
中村祐太 67
■なかむら・ゆうた ■1995年8月31日生(26歳) ■184cm/89kg  
■右投右打/投手 ■東京都出身 ■関東第一高-広島(2013年ドラフト5位)
昨年は8試合に先発し6試合でクオリティ・スタートを達成するなど、先発としての安定感が光った。二軍でも先発として調整中。キレのある直球が生命線。