一軍での活躍が期待されるカープ選手の2021年の声をお届けする蔵出しインタビュー企画。今回取り上げるのは、一軍ショートに定着した小園海斗。2021年7月に行ったインタビューから、菊池涼介から学んだこと、今季一軍で活躍するために貫くと決めていることなどを紹介する。
(広島アスリートマガジン2021年8月号で行ったインタビューをもとに編集)

一軍ショートに定着した小園海斗選手。

◆二塁の名手・菊池から学んだ守備に必要な〝予測と準備〟

─6月13日のオリックス戦(京セラドーム大阪)から3番を打つことが増えました。クリーンアップの一角でもある3番を打つ上で意識していることはありますか?

「後ろに4番の(鈴木)誠也さんがいるので、次につなぐ気持ちで打席に入っています。上位打線を打たせてもらっているのはありがたいことですし、打席も多く回ってくるのでチャンスも増えます。ただ常に意識しているのは、自分が決めてやろうではなく、とにかく誠也さんにつなぐこと。そういう意識で臨んでいます」

─守備では、菊池涼介選手と二遊間を組んでいます。コンビを組む上で意識していることはありますか?

「一番は準備ですね。菊池さんは打球への予測と準備がすごい。それがあるからこそ、あれだけのビッグプレーが生まれるんだなと、ショートを守らせてもらって改めて気付かされました。あと、僕はまだまだ試合中に緊張もしますし、おどおどしたりもしますが、菊池さんは本当に堂々とされていて、余裕を持って試合の状況を見ています。菊池さんと一緒にプレーさせていただくと、まだまだ足りない部分が多いと感じさせられます。何かあれば試合中でも教えてくださるので、実戦を通して、いろいろなことを吸収していきたいです」

─林晃汰選手や羽月隆太郎選手など、同年代の選手も今季は一軍で活躍しています。小園選手自身、同学年の選手からどんな影響を受けていますか?

「若い選手で、もっとチームを盛り上げていきたいと思っていますので、そこは同年代含めて意識してやっています。今は二軍で頑張っている選手もいますが、必ず一軍に上がってやるという気持ちを忘れていないと思いますし、僕自身も、そういう気持ちで二軍で練習を重ねてきたので、切磋琢磨しながらお互いレベルアップしていけたらいいなと思っています」

─一軍では、ショート・小園選手、サード・林選手の三遊間コンビも増えました。

「玉木さん(朋孝・一軍内野守備・走塁コーチ)から、声を掛け合って守るように言われているので、追う際はここまで来ていいよとか後方へのフライはどちらが対応するかなど、状況に応じて意思疎通しながら守るように心がけています」

◆絶えず胸に宿っている思いはショートのポジション奪取

─今年、ようやく巡ってきた一軍のチャンスを自らの力でつかみつつあります。後半戦も一軍で活躍するために、貫き通していきたいのはどんなことですか?

「ショートのスタメンで出場できるように、そのために必要な努力は妥協することなくやっていきたいと思っています。今季はもちろん、プロ入り以降、一軍のショートのポジションを奪うのが目標だったので、そのために、とにかく全力でプレーしていきたいと思っています」

─数字の目標はどうでしょうか。このままいけば、シーズン終盤まで打率3割をキープできそうな勢いを感じます。

「そうですね。打率に関しては3割を切ることなく打っていきたいですね。打率を上げるのは今年の課題だったので、そこは最後までこだわってやっていきたいです。あと、3番を打っていると、難しい状況もありますが、盗塁も1つでも多く決めたいと思っています」

─ファンのみなさんにメッセージをお願いします。

「今はまだ球場が満員になることは難しいですが、スタンドから、少しでも手拍子が聞こえてくるだけで頑張ろうという気持ちになります。カープファンのみなさんの存在は、プレーするうえで、体を動かす大きな原動力になっていると改めて感じますね。目標にしているショートのスタメンで出場を続けていけるよう頑張りますので、これからも声援を送ってもらえるとうれしいです」

◆プロフィール
小園海斗 51
■こぞの・かいと ■2000年6月7日生(21歳)■178cm/84kg   
■右投左打/内野手 ■兵庫県出身 ■報徳学園高-広島(2018年ドラフト1位)