今季からカープの一軍投手コーチに就任した石井弘寿氏。現役時代はヤクルトで豪速球を武器とする左腕リリーバーとして活躍し、最優秀中継ぎのタイトルなどを獲得。2004年のアテネ五輪では日本代表としても活躍した。現役引退翌年の2012から昨季まではヤクルトで投手コーチを歴任するなど、長い指導歴を誇る。

 ここでは、主にブルペン担当コーチとして一軍投手陣を支える石井コーチの選手育成、指導論に迫っていく。(全2回/第2回)

春季キャンプで指導する石井弘寿コーチ(右)

まずは選手を理解することから

—石井コーチはブルペン担当としてどのような面を大切にされていますか?

 「ブルペンは一つのファミリーだと思っています。みんなが毎回抑えられるわけではありません。だからこそ、お互いがカバーし合うことが大切です。コミュニケーションもそうですし、雰囲気づくりもそうです。そういった積み重ねがリリーフ投手の背中を押してくれると思っています」

—選手とのコミュニケーションで大切にされていることはあるのですか?

 「なるべく選手と同じ目線に立つことですね。まずは選手の話を聞くこと。どんな考えを持っているのか、何に悩んでいるのか。それは野球のことだけではないかもしれません。そういう部分も含めて理解した上で、どうすれば野球に集中できる環境をつくれるかを考えています」

—では、石井コーチが指導者として最も大切にしていることを聞かせてください。

 「コミュニケーションですね。選手が何を考え、何に取り組んでいるのかを理解することが大切だと思っています。自分の経験を話すことは簡単ですが、まずは選手を知ること。そこから指導が始まると思っています」

—『教える』と『見守る』のバランスはどのように考えていますか?

 「選手によって違いますし、タイミングもあります。調子が悪い時に一方的に言うだけでは意味がありません。自分で修正できる選手なのか、どんな取り組みをしているのか、次の登板に向けてどう考えているのか。そういう部分を見ながら接しています」

—石井コーチはどのような指導者を理想とされておられるのでしょうか?

 「困っている時に、効果的な言葉を掛けてあげられるコーチですね。現役時代にお世話になった小谷さん(正勝・1996〜2002年にヤクルトで一軍・二軍投手コーチを歴任)が、まさにそういう方でした。普段は見守ってくださるのですが、本当に必要な時に声を掛けてくれる。その時に『見ていてくれたんだな』と感じました。だから僕も基本は見守りながら、必要な時に力になれる存在でありたいと思っていますし、選手と一緒に成長していけるコーチでありたいですね」

■石井弘寿(いしい・ひろとし)
1977年9月14日生、48歳・千葉県出身
東京学館高ーヤクルト(1995年ドラフト4位〜2011年引退)

【指導歴】
ヤクルト二軍育成コーチ(2012〜2013年)
ヤクルト二軍投手コーチ(2014〜2016年)
ヤクルト一軍投手コーチ(2017〜2025年)
広島一軍投手コーチ(2026年〜)

カープをより深く、より熱く。日本唯一の広島東洋カープ専門誌!
2026年7月号はカープグッズ特集!『ぷっくりシール』付録つき