次ページで登場する永川勝浩・一軍投手コーチ。現役時代は絶対的な守護神としてカープの投手陣を支えた。

◆個人的には今でもいろいろな技をやりたい

 こだわりという意味では、試合で使っている技のなかにも若手の頃から長く使っているこだわりの技があります。いまでも使っているジャンピング・エルボーアタックは、デビューして1カ月後ぐらいから使っています。

 今はもうヒザの手術を2回しているので、さすがにジャンプ力は落ちて、昔ほど高くジャンプもできないし、きれいにも決められないけど、それでもオレにとっては大事な技の一つです。きっかけはデビューしたシリーズに他団体から参戦していた選手がいて、その選手の試合を見ていたら、ジャンピング・エルボーと同じような技を使っていたことでした。その技を自分なりにちょっとアレンジして使うようになりました。

 最近、相手の手首を掴んでのバックエルボーもよく使っているんですけど、確かに技としてはシンプルではあるけど、あまり使っている選手がいないんですよね。一昨年ぐらいに、たまたま試合中にひらめいて使い始めたんですけど、使い勝手がよくて、割と強烈だし、けっこう良い技かなと思っています。

 よくプロレスラーは、キャリアを重ねるほど技数が少なくなっていくと言われているんですけど、確かにオレも少なくなっているかもしれません。やっぱりケガの影響とかもあって、できなくなっていく技もありますからね。技数が少なくなることは決して悪いことではないけど、個人的には今でもいろいろな技をやりたいなっていう気持ちはあります。

 そもそもファン時代には、選手のいろいろな技を見たいと思っていたし、レスラーになってからも、いろいろな技を使う選手は好きですよ。もちろんこだわりを持って限られた技で試合を組み立てている選手もいるだろうし、これはレスラー側の意見ですけど、少ない技数で試合を組み立てることができるのはスゴいことだと思います。

 でも、観戦に来ているお客様は、オレがファン時代にそうだったように、選手のいろいろな技を見たいと思うんですよ。特に観戦する機会があまりない地方のお客様は、いつもテレビとかで見ている技を目の前で見られたらうれしいだろうし、そういうことを考えると、意識して技数を減らそうとは思っていないし、これからもできる限りはいろいろな技をやっていきたいですね。