2017年に12勝をあげてブレイクした岡田明丈。しかし、輝きは長くは続かなかった。2019年の一軍登板はわずか3試合。昨年はプロ入り後初めて一軍登板なしに終わり、二軍でも防御率5点台と自分の投球を取り戻せないままシーズンを終えた。その悪循環は今年に入っても続いており、いまだに芳しい結果を残せていない。打者を力で圧倒する150kmを超える豪球が岡田の最大の持ち味。不安定さを改善し、首脳陣の信頼を勝ち取ることができるか。今年8月に岡田に聞いた、今年にかける思いを再収録する。

今季一軍での登板がない岡田明丈投手。12勝をあげた4年前のような、打者を圧倒する豪球をもう一度見せてほしい。

◆自慢の直球を活かす“制球力”を取り戻す

─二軍で課題を持って取り組んでいることを教えてください。

「制球力の向上です。投げてみないと分からない部分があるので、制球を鍛えて、コンスタントにストライクを取れる投球をしていかないと先はないと思っています。ストレートの球速でも質でもなく、とにかく制球力ですね」

─2017年に一軍の先発ローテで投げていた頃と比べ、制球に関してはどういった点が悪くなったと感じていますか?

「力まかせの投球になっていたのがいけないと思います。その結果、数字が伴ってきていませんでした。あとは、制球を意識するあまり、打者との勝負に集中できていなかったのも改善点です。気持ちの部分で打者と戦えていなかったので、そういう部分も成績に表れているのかなと思います」

─昨年はリリーフとしての起用も検討されました。先発とリリーフ、今はどちらをイメージして調整しているのでしょうか?

「目の前の打者と勝負するという点では、先発もリリーフも自分の中でそこまで変わりません。一人ひとりの打者としっかり対峙することができてはじめて、長いイニングか短いイニングを決めることができると思います」

─一軍昇格に向けアピールしていきたい部分を教えてください。

「課題である制球力を上げることはもちろんなのですが、あとは自分の持ち味であるストレートをしっかり試合で投げ込んで勝負していきたいですね。良いアピールができるように頑張ります」

─二軍の試合で意識していきたい数字はありますか?

「もちろん結果が大切なので、任されたイニングは全て無失点で抑えることです。いかに毎試合、スコアボードに0をつけることができるかを意識して試合に挑みたいと思っています」

◆プロフィール
岡田明丈 17
■おかだ・あきたけ ■1993年10月18日生(27歳)■185cm/89kg
■右投左打/投手 ■東京都出身 ■大阪商業大-広島(2015年ドラフト1位)
1年目から日本シリーズの先発を任された右腕。潜在能力はチームでも随一。制球難を改善し、もう一度一軍のマウンドで剛球を披露したい。