2年目にプロ初勝利をあげ飛躍が期待されたが、3年目の昨年は一軍登板なし。今季も春季キャンプから二軍での調整が続くと開幕直後にケガで離脱。実戦に復帰したのは7月だった。復帰後も思うような投球ができず、ここまでの二軍成績は6試合に登板し防御率14点台。不安定な投球が続いているだけに、もう一度躍動感を取り戻すことが求められる。キレのあるストレートを小気味よく投げ込んでいくのが山口翔のスタイル。由宇で練習を重ねる右腕を直撃した8月のインタビューを再収録する。

一軍昇格を目指し、二軍で鍛錬を重ねる山口翔投手。

◆追い求めているのはノビのあるストレート

─今、どんな課題を持って練習に取り組んでいますか?

「ケガから復帰以降、球の強さにばらつきがあります。それを解消し、もう一度、球の力強さを取り戻したいと思っています」

─そのためにどういったことに取り組んでいますか?

「一つは投球フォームを見直しています。いつの間にか自分の持っている力を出し切れないフォームになってしまっていたので、これでは打者を打ち取れないと思い、しっかりと球に力が伝わるフォームに修正しています」

─手応えとしてはどうですか?

「少しずつですが、不安なく投げることができていますし、力強い球を投げることができるようになりました。ただ、まだまだ改善点はあるので、一つひとつクリアにしていきたいですね」

─持ち味でもあるストレートの出来はいかがですか?

「球速もノビも出てきたと思います。ストレートが売りの投手なので、しっかりとしたストレートを投げることができないと何の魅力もない投手になってしまいます。なので、今はとにかくストレートだけにこだわって投げています」

─二軍には同学年の遠藤淳志投手がいます。影響を受けている部分もあるのではないですか?

「淳志を見ていると、自分も負けていられないと感じますし、昨年は自分が二軍で、淳志は一軍にいたので、本当に悔しかったです。今は2人とも二軍にいるので、お互いに競争心を煽っていけたらと思っています。ライバルなので負けないように頑張ります」

─一軍首脳陣にアピールしていきたいことを教えてください。

「打者から空振りを奪えるノビのあるストレート。それに尽きます。ストレートでどんどん攻めていくスタイルを貫き通していきたいと思っています」

◆プロフィール
山口 翔 47
■やまぐち・しょう ■1999年4月28日生(22歳)■181cm/85kg    
■右投右打/投手 ■熊本県出身 ■熊本工高-広島(2017年ドラフト2位)
150kmを超えるキレの良いストレートが評価されドラフト2位で入団した快速右腕。ケガにも悩まされ伸び悩んでいるが、持っているポテンシャルは一級品。