こんな時こそ行うべきトレーニングとは?

ただ、プロ野球の秋季キャンプのように、ギリギリまで追い込む反復練習を連日こなしていると、シーズン開幕前にケガをする可能性があります。個人練習が主体となるこの期間に、トレーナー視点で絶対に欠かせないと思っているのが『筋肉量と瞬発性を高めるトレーニング」です。

一番大切なのは筋肉量を落とさないこと。一度落とした筋肉はなかなか戻らないだけに、ある程度の強度を保ち、筋肉量を落とさないトレーニングが必要になってきます。

もう一つは瞬発性のトレーニング。この瞬発性の向上にはパルクールというトレーニングが有効的です。

パルクールとは、簡単に説明すると、走る・跳ぶ・登るといった移動に重点を置く動作を通じて、筋力と瞬発力を鍛えるトレーニング。パルクールのメリットについては、いつかこのコラムでも紹介したいと思っています。

ちなみに、「Mac’s Trainer Room」ではパルクールバーというパルクールを行う際に使う器材を使用しています。野球における身体操作トレーニングにとても効果があり、脱力状態でスムーズに動く感覚を身につけるには最適な器材です。

「パルクールバー」を使ったトレーニング

開幕までの期間が延びたことで、トレーニングを担当しているオリックス・バファローズの山岡泰輔投手からは、自宅にパルクールができる器材がないから、すぐに準備してほしいという連絡がありました。

彼のその動きの早さから、どんな状況になろうとも、すぐにトレーニングができる状況をつくって、開幕に備えて、しっかり準備を整える、一流選手の意識の高さを感じましたね。

どんなトレーニングをするにしても、『体を維持する」という、守りの気持ちでこの約2ヶ月を過ごすのではなく、『体の能力を引き上げる」、攻めの気持ちで過ごすことで、同じトレーニングでも効果が違ってくると思います。

あとは常に球を投げられる状態にしておくこともプロ野球選手にとっては大切です。まったく投げない期間が長いと、いざ投げる時にケガの危険性が高まります。ある程度、球を投げながら、筋肉量と瞬発性を高めるトレーニングをしてコンディションを整えていくことが大事になってくるでしょうね。