戦略次第で、とんでもない成績を残す選手が出てくる可能性も

このままいくと、プロ野球のシーズンは例年より短くなる可能性もあると思っています。そうなった場合、ファンのみなさんにとっては残念なニュースになるかもしれませんが、選手からすると、捉え方を変えることで、フル回転できるシーズンと言うこともできます。

3月下旬の開幕だと、シーズン終盤は疲れがたまったなかでプレーする選手も多いでしょうが、今年に限っては開幕が早くて6月中旬。ペナントレースの期間は、通常より2ヶ月近く縮まることも考えられます。体を酷使する期間が例年より短くなることで、しっかりとトレーニングをして、体に貯金をつくってペナントレースに突入すれば、ものすごい成績を残す選手が出る可能性もあると思います。選手がしっかりと戦略を持って取り組めば、例年とは違う、面白いシーズンにはなるのではないでしょうか。

ただ、焦りは禁物です。自分でコントロールできないことに対して焦りを抱く必要はありません。選手が練習をがんばることで、新型コロナウイルスが早く終息するなら、がんばってくれと言えますが、こればかりはがんばってなんとかなる問題でもありませんからね。

そんななか、プロ野球開幕を待っているファンのために、球団や選手が、SNSやYouTubeを通して、色々な呼びかけやファンサービスとなる企画を発信していますが、こういった取り組みは、ぜひ続けていってほしいですね。

カープでも、球団スタッフの井生崇光さん(元カープ選手)による動画『走れイオウ!』が好評のようですし、カープ以外の11球団も色々な方法で、ネットを通してファンを楽しませてくれています。先が見えない不透明なシーズンですが、こちらも考え方を変えると、選手とファンの距離がグッと近くなるシーズンになるかもしれませんね。

僕自身も、少しでも、みなさんの力になれればと、SNSやYouTubeでトレーニング動画を公開させてもらっています。次回のコラムでは、球児のみなさんが、思うようにトレーニングができない現状をふまえて、トレーナーの1人として、どうサポートしていこうと考えているかを紹介したいと思います。

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高島誠(たかしま・まこと)
広島県東広島市の西条町にある、野球専門のトレーニングジム「Mac's Trainer Room」の代表。オリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)、MLBワシントン・ナショナルズのトレーナー経験があり、現在も数多くのプロ野球選手とトレーナー契約を結んでいる。趣味はパルクールとサウナで、サウナ・スパスペシャリストの資格も持つ。「Mac's Trainer Room」のYouTubeチャンネルで、野球トレーニングに関する動画を公開中。
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