オリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)、MLBワシントン・ナショナルズのトレーナーを務め、メジャー時代は「マック(高島の愛称)はゴッドハンドを持っている」と高い評価を得たトレーナー・高島誠。この連載では、数々のプロ野球選手を指導してきた経験をもとに、これまで公では語られることのなかった、マック流・野球パフォーマンスアップの秘密を披露していく。

開幕延期はある意味、絶好のチャンス!?

野球専門のトレーニングジム「Mac’s Trainer Room」代表の高島誠です。『Mac高島の超野球塾』の連載をご覧いただき、ありがとうございます。

連載3回目は、開幕の目処が立たず、フィジカル面でも心の整え方の面でも難しい局面に立たされているプロ野球選手のトレーニングについて考えてみたいと思います。

このコラムを書いているのは4月下旬ですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、現時点でプロ野球開幕は、最短でも6月中旬と言われています。つまり、最低でも、あと約2ヶ月の準備期間があるということです。

では、この約2ヶ月をどう過ごしたらいいのか? これまでにプロ野球チームでトレーナーを務めてきた経験をもとにお話したいと思います。

準備期間が約2ヶ月あるということは、もう一度、春季キャンプがスタートしたという感覚で動いている選手も多いのではないかと思います。ただ、春季キャンプと違って、実戦練習もチームでの全体練習もできず、練習時間も制限されています。プロ野球12球団を見渡しても、ほぼ個人での練習しかできていないのが現状です。

チームでの練習ができないため、練習効果が得づらい期間だと考えてしまいがちですが、視点を変えると、個々の体のポテンシャルを高める期間が約2ヶ月あると考えることもできます。秋季キャンプのような、自分の体を鍛える絶好のチャンスがシーズン前にできたと捉えると、有意義な期間になります。