カープがリーグ3連覇を果たした頃、背番号30はリリーバーとして、どんな場面の登板でも闘志溢れる投球を披露し、チームを鼓舞してきた。しかしプロ10年目を迎えた今シーズン、いまだ一軍での登板が巡ってこない。今季中の一軍昇格はあるのか。復調が待たれる一岡竜司の思いを聞いた。※取材は9月上旬。

一軍昇格への期待がかかる一岡竜司投手。

◆変わったと思える姿を首脳陣に示していく

─二軍ではチーム1位の登板数(40試合)を投げました。これまでの試合での内容をどう捉えていますか?

「成績はそうですね……。調子の良し悪しに左右される日があるのが反省点ではありますね。失点を喫しても1点で抑えられず大量失点につながってしまうケースもあったので、そういう不安定な投球内容が、いまになっても二軍にいる理由だと思います。悔しいですが、現実を見据えて、課題を一つひとつ解消できるように練習を重ねていくしかありません」

─6月に取材させてもらった時、無駄な動きを少なくすることを意識して投球フォームを見直したと言われていましたが、新フォームの手応えはどうですか?

「実は投げていて違和感を拭うことができなかったので、元々の投球フォームに戻しました。新しく試したもので良かったものは残していますが、基本形は以前のフォームです。変えようと思った時は、深く考えたりもしたのですが、考え過ぎて良い方向に進んだケースが少ないので、いまは、自分が投げやすいと思うフォームで投げていこうと思っています」

─一軍に向けてアピールしていきたいことを教えてください。

「試合での結果はもちろんですが、ケガをしないことも心がけています。いざ呼ばれた時にケガをしていたら、一軍で結果が出るはずもないので、そこは一番意識しているところです。単純に力がないため昇格のチャンスが巡ってきていないと思うので、『一岡は変わった』と思える姿を首脳陣に示していくしかありません」

─一岡投手の一軍昇格を、多くのカープファンが待っています。意気込みをお願いします。

「由宇は無観客での試合開催のため、ホームゲームではファンの方に囲まれて試合ができていません。なので一軍で投げる時は、より一層の力が出せるような気がしています。今はそれをイメージしながら練習に取り組んでいます。いつ一軍に呼ばれてもいいように、良い準備をしてコンディションを上げておきたいと思います」

◆プロフィール
一岡竜司 30
■いちおか・りゅうじ    ■1991年1月11日生(30歳)■179cm/85kg    
■右投右打/投手 ■福岡県出身 ■巨人(2011年ドラフト3位)-広島
躍動感を感じる投球フォームから快速球を繰り出すリリーバー。 通算279試合に登板した経験が一軍ブルペン陣に与える影響は大きい。