プロ4年目で初安打、初打点、初本塁打を記録し、一軍メンバーに入る機会も増えた。ファンの期待を一身に背負い、二軍で調整を続ける中村奨成に一軍での戦いで学んだことを聞いた。※取材は9月上旬。
◆昇格即スタメンでも結果を出せる準備を
─今年は飛躍の一年になっていますが、ここまで振り返ってみてどんな手応えを感じていますか?
「一軍でこれまで打てなかった安打や本塁打を今年は打てたので、昨年よりは打撃の面で少しは成長しているのかなと思います」
─打撃面で一軍でも通用すると自信になった部分はありますか?
「通用したとは思っていません。良い投手になればなるほど、打つことがすごく難しくなるのを実感したので自信は全くないですね」
─一軍の投手を攻略するうえで課題だと感じていることは?
「甘い球やファーストストライクを一振りで仕留めることができていないこと。そして追い込まれてからの対応。このあたりを改善していかないと一軍で安定して打率を残せないと感じています」
─一軍帯同中は先輩選手や打撃コーチから話を聞くことも多かったのではないですか?
「打撃コーチをはじめ、いろんな選手から話を聞けたので、自分の中の打撃の引き出しを増やすことができました。僕は感覚で打つタイプの打者だと思っているので、松山(竜平)さんや(西川)龍馬さんなど、独特の感性を持っている方から話を聞いたりもしました。あとはそれを自分のものにしていかないといけません」
─後半戦はベンチから試合を見る時間が多かったと思いますが、どんな視点で見ていましたか?
「まずは捕手の配球をしっかり見るようにしていました。また、守備の時は、廣瀬(純)コーチが近くに来てくれて、外野手の一つひとつのプレーに対して説明を加えてくださることもありました。一軍にいる以上、見て学ばないとそこにいる意味がありませんから」
─8月下旬に二軍での再調整が決まりました。今どんなことを意識して毎日を過ごしていますか?
「次に一軍に呼ばれた時、すぐスタメンで起用されても結果を出せるような準備を心がけています。とにかく一軍の試合にたくさん出ることが目標です。出ないことにはレギュラーへの道も見えてきません。今は二軍ですけど、しっかりと結果を出して、早く一軍のレギュラーをつかめるように頑張っていきたいと思います」
◆プロフィール
中村奨成 22
■なかむら・しょうせい ■1999年6月6日生(22歳)■181cm/81kg
■右投右打/捕手 ■広島県出身 ■広陵高-広島(2017年ドラフト1位)
夏の甲子園で1大会最多の6本塁打を放った広島出身のスラッガー。持ち味の打撃を活かすため、捕手以外のポジションにも挑戦している。