一軍復帰以降、1番打者として、カープ打線を牽引する働きをみせている宇草孔基。10月の打撃成績は、10月26日現在で、打率.338、22安打、2本塁打の成績を残している。

 プロ2年目の迎えた宇草は、今季ケガから復帰。5月18日に一軍に昇格すると、プロ初本塁打を放つなど活躍を続けた。7月に二軍で再調整となったが、結果を残し、再び一軍の舞台へ。理想の自分を追い求めて成長を続ける宇草が、今年の夏、一軍降格直後のインタビューで話した思いを再編集してお届けする。
(広島アスリートマガジン2021年9月号で行ったインタビューをもとに編集)

2年目の今シーズン、持ち味の俊足巧打を武器に、一軍で躍動を続ける宇草孔基選手。

◆悔しさを糧にさらなるレベルアップを図る

─7月2日に一軍登録抹消となりましたが、約1カ月半の一軍生活でどんなことを感じましたか?

「まだまだ一軍でできるという気持ちでいたので悔しかったですね。ただ、自分に足りないところは明確で、こういう風になりたいというイメージはあるので二軍で課題を一つひとつクリアしていこうと思っています」

─具体的にどういったことを課題として捉えていますか?

「一番の大きな課題は外野守備。特にスローイングですね。苦手なことは毎日コツコツやっていくしかないと思うので、練習を継続するしかありません」

─打撃に関してはどんな課題を持って取り組んでいますか?

「打撃の課題もいくつかあるのですが、打席の中でこれさえやっておけばなんとかなるというものが最近分かりつつあります。一軍首脳陣からは、スタメンで活躍できる選手になってほしいと言われたので、二軍の試合では毎試合集中力を切らすことなく自分の持ち味を磨いていきたいと思います」

─守備も打撃も、これまで数多くのアドバイスを受けてこられたはずです。それらの助言は、宇草選手の中でどう消化されていますか?

「すぐに何かに活きるというわけではないのですが、あの時言われていたのはこういうことかと、あとから分かることは多々ありますね。いろんな情報がつながって新しいなにかに変わることもあるので、うまく取捨選択しながら取り入れていきたいと思います」

◆憧れの鈴木誠也から受けた影響。自分は『もっともっとできる』

─走塁面では交流戦で5盗塁を記録し俊足をアピールしました。走塁で意識していることを教えてください。

「プロ1年目は、とにかくどんどん走っていこうというスタンスだったのですが、今年は走る前に、まず状況を把握することに努めています。投手の様子やカウントなどを見たうえで、走るかどうかの判断をしています。大事なのは盗塁成功率を上げることなので、自分の足だけを信じて闇雲に走るのではなく、少しでも成功確率が高くなるように取り組んでいます」

─以前の取材で、プロで一番すごいと感じたのは鈴木誠也選手だと言われていました。今年、一軍で一緒にプレーし、どんなことを感じましたか?

「間近でプレーが見れましたし、プレーだけでなく、誠也さんが発する言葉や考えていることを身近で肌で感じながら過ごすことができたのは、自分にとってはすごく貴重な時間でした。ただ、誠也さんの側にいて、いろんなことを吸収したとしても、自分自身はそう簡単には変われません。『まだまだだな』と思いましたし、逆に『もっともっとできる』とも思いました。今回の一軍での経験を無駄にすることなく成長していかないといけません」

─今季、これだけは必ず貫き通すと決めていることはありますか?

「それは特にないですね。一度決めた形にこだわるのではなく、自分を成長させてくれるものがあれば取り入れていきたいですし、とにかく視野を広く、頭を柔軟にして野球と向き合っていきたいと思っています」

─今は由宇で鍛錬を積む日々を送られています。宇草選手にとって由宇球場はどんな存在ですか?

「毎日悔しい思いをしていますし、一軍の舞台を経験させてもらったことで、より一層、ここにいてはいけないと感じるようになりました。一軍で活躍しなければ意味がないと思いますし、ここにいる以上、満足することはないと思います。とにかく早く一軍でプレーできるように頑張ります」

◆プロフィール
宇草孔基 38
■うぐさ・こうき ■1997年4月17日生(24歳))■185cm/79kg 
■右投左打/外野手 ■東京都出身 ■常総学院高-法政大-広島(2019年ドラフト2位)