俊足の内野手として期待され続けてきたカープの桒原樹(25)が、プロ7年目で戦力外通告となった。

フルスイングを武器にする俊足内野手として期待され続けた桒原。プロ7年目で無念の戦力外となった。

 俊足、そしてパンチ力も魅力の内野手として注目され、2014年ドラフトで5位指名を受け、緒方孝市監督政権の一期生としてカープに入団した。

「自分の持ち味のフルスイングと機動力を使ってカープで優勝したいです」

 入団会見で力強いコメントを残した桒原は大型ショートとして、ファームで鍛錬を重ねていった。1年目は体力づくりに時間を費やすと、2年目からは二軍で3年連続で100試合以上に出場し、258安打、50盗塁を記録し、毎年のように次代を担う若手として期待をかけられていた。

 しかし、3連覇中の一軍同ポジションには田中広輔がおり、その他ポジションにも菊池涼介など球界を代表する内野手がおり、桒原になかなかチャンスは巡ってこなかった。2019年には同じショートを主戦場とする小園海斗がドラフト1位で入団するなど、毎年のように内野の競争は激化していった。

 自身を取り巻く環境が厳しくなっていく中、2018年オフからは出場機会を求めて外野にも挑戦した。

 そして毎年のように一軍昇格へ最大の課題となったのが打撃だった。2017年9月にファームで月間MVPを受賞し、一時は打撃面での成長を見せた。しかし「あの時(ファーム月間MVP受賞時)は、打つための土台のようなものがなかった気がします」と振り返るように、安定した打撃を継続することができなかった。

 一軍初出場はプロ6年目となる2020年だった。同年9月5日のDeNA戦(マツダスタジアム)で守備から途中出場し、初打席も経験した。ようやく一軍デビューを果たしたものの、結果は3打数ノーヒット。この頃は二軍での出場機会も限られ、代打での出場も増えていた。

 出場機会を求めた結果、一塁、捕手以外のポジションは全て経験した。背水の陣で臨んだ今シーズンだったが、一軍に昇格することができなかった。

 プロで残した数字は3試合、3打数無安打、打率.000。将来を嘱望され続けた大型内野手が、7年間背負った背番号45、赤いユニホームに別れを告げる。