2018年、4球団競合の末、ドラフト1位で入団。当時の高校球界を代表する野手は、1年目から一軍を経験し、明るい未来を予感させた。しかし、2年目は一軍出場わずか3試合。悔しさを経験したことで、3年目の今シーズン、一軍でショートのポジションをつかみとった。ドラフトから飛躍を遂げるまでの軌跡を成長を続ける小園の言葉で振り返っていく。(全4回のうち3回目・取材は10月上旬)

開幕は二軍スタートも順調に結果を残し、4月22日に一軍昇格した小園海斗選手。自らの力でチャンスをつかみとり、一軍ショートに定着した。

◆規定打席到達は首脳陣のおかげ。起用していただけることに感謝

─成功も挫折もあった2年間を経て、今年、飛躍の3年目を迎えることになります。4月下旬に一軍昇格を果たすと、一気にショートのポジションに定着。攻守においてキーマンとなる活躍を続け、9月25日のDeNA戦では初の規定打席に到達しました。

「そこに到達するためには、ずっと試合に出続けなければいけないので簡単なことではありません。そして、試合で結果を残して首脳陣の信頼を勝ち取る必要があります。その中で、ずっと目標にしていた規定打席を、シーズン途中とはいえクリアできたのは、自分の力だけではなく起用していただいたからこそです。その感謝の気持ちのほうが大きいですね」

─コンスタントに結果を残していましたが9月上旬頃、結果が出ない日が続きました。調子を落としたことで打撃のアプローチで変えた部分はありますか?

「その頃は安打を欲しがり当てに行くバッティングが多く、打席で自分のスイングができていませんでした。なので、思い切って納得のいくスイングをしようと決めました。そこからですね、安打が出るようになったのは。空振りでもいいから積極的にいくのが自分の持ち味。早いカウントから、強いスイングでひと振りで捉えることを意識しています」

─6月下旬から3番に定着していましたが、9月からは2番を打つことが増えました。打順が変わったことで、心境の変化はありましたか?

「2番はバントもあれば、エンドランもあります。ベンチからのさまざまなサインに応えることができるようにしていかないといけません。いろんなシチュエーションを考えて準備しないといけないので、良い経験をさせてもらっています」

●小園海斗(こぞの かいと)
2000年6月7日生(21歳)/兵庫県出身/178cm・84kg/右投左打/内野手/報徳学園高-広島(2018年ドラフト1位)
【2021年成績】113試合 打率.298 134安打 5本塁打 35打点 4盗塁