今年の夏・8月18日、カープ球団を通して、昨季限りでカープを退団したクリス・ジョンソンの現役引退が発表された。2015年にカープに加入し、在籍6年間で57勝をあげ、球団史上初の3連覇に大きく貢献した左腕。ここでは『惜別カープ戦士特集』として、現役時代にジョンソンが紡いだ言葉を、本誌で行った独占インタビューをもとに振り返る。

 今回は来日1年目の2015年。来日初登板以降、順調に勝ち星を重ね続けるジョンソンが、本誌に話した野球への思い・カープへの思いを振り返る。(『広島アスリートマガジン』2015年7月号掲載)

 また、11月25日発売の広島アスリートマガジン12月号では、J SPORTSとコラボし、クリス・ジョンソンの独占ロングインタビューを掲載。カープファンが待っている、“KJのメッセージ”をお届けする。

来日初登板となった2105年3月28日のヤクルト戦で1安打完封勝利を成し遂げたK.ジョンソン。

◆「同じページの上にいる」助っ人左腕を支えた名捕手の存在

―(2015年の)開幕からここまでの投球は、どう評価されていますか?

「順調だと思います。もちろん登板するなかで、うまくいかない試合もありますが、それ以外の部分は自分が思っている以上に良い形で進んでいるというのが正直な感想です。アメリカでも日本でも野球をするという点では一緒ですが、日本にきて、日本の生活のなかでアジャストをしていくために、いろいろと努力をしてきました。そうした順応についても自分が思っている以上に順調に進んでいます」

―順調に進んでいる要因としてはどのようなことが挙げられるでしょうか?

「3月27日に開幕してからは私の登板ではずっと石原(慶幸)がマスクを被っていますが、彼と相性が合っていると思います。自分が投げたい球のサインを出してくれますし、投球に対する考えが非常に似ているのだと思います。私なりの表現を使うなら、〝同じページの上にいる〟という感覚を持っています。同じ舞台で、同じ次元で呼吸を合わせながら戦えていると思います」

―投球を行うなかで、日本の打者に有効な球はありましたか?

「ひとつだけをあげるのは難しいですね。これまで対峙してきた打者も多種多様でいろいろなスタイルの打者がいますから、自分が持っている自信のある球を一人ひとりに対し投げ込んでいます。絶対的に信頼を持っている球があるというわけではありません。日本人の打者はレベルの高い能力を持っていると思いますし、特に球をバットで捉えてフィールドのなかに打ち込む、球をコンタクトするという技術はすごく高いと思います。そういった意味でも試合のなかでその状況に応じて自分が持っている4種類の球を織り交ぜながら投げ分けていく、というのが自分の投球スタイルだと思っています」

―配球面で米国時代と変化した点はありますか?

「球種は4種類を常に投げていますし、それはアメリカのときとあまり変わりはありません。組み立てという部分も基本的には同じだと思いますが、アメリカにいたときの方が真っすぐを若干多く投げていた気がします。日本の方が変化球を織り交ぜることが多くなっているかもしれません。球を動かすのが僕の投球スタイルなので、カットボールとツーシームを使って、しっかりと両コーナーに投げ分けを行っていくという投球の組み立ては以前から変わりません」