小園海斗、林晃汰など、一軍経験の少ない若手選手の台頭が目立った、今季のカープ野手陣。ここでは、今季の野手陣総括として、今シーズン、一軍ショートの定位置をつかんだ小園について、朝山東洋一軍打撃コーチに聞いた。

高卒3年目の今季、初の規定打席に到達。ショートのレギュラーとして活躍した小園海斗。

◆配球を読めるようになればもっと率を残せる

 速い球に強いのが小園の一番の魅力だと思います。速い球を苦にしていないので、変化球で攻められることが多くなります。ただ、変化球に対してはスコアラーがデータを出してくれているので、この変化球を狙っていこうという指示を出していれば、小園であれば、高い確率で捉えることができます。あとは配球を読めるようになれば、もっと率を残すと思いますね。  

 シーズン前半はコンスタントに結果を残していましたが、9月上旬頃、結果が出ない日々が続きました。積極性はあるのですが、コツンと当てる打撃が目立っていたので、空振りをしてもいいからフルスイングするようにと助言しました。

 小園は可能性の塊だと思っていて、『3割・20本』を打つバッターに十分なれると思っています。なので、三振を恐れて当てるだけの打撃はするなと毎日のように言っていました。

 今年一軍に上がってきた頃、追い込まれると三振をしないためにノーステップで打っていましたが、前に打てば何かが起きるかもしれないということで、貫き通していた打撃なんだと思います。

 一つ言えるのは、自分で決めてトライした経験は、困った時に、自分の引き出しの一つになってくれます。

 今年は規定打席に到達しましたし、数多くの打席経験を積み重ねました。その経験を糧にして、来季は、ひと回り大きくなった姿を見せてほしいですね。

●小園海斗(こぞの かいと) #51
内野手/右投左打/3年目
【2021年成績】113試合 449打数134安打 打率.298 5本塁打 35打点 4盗塁

●朝山東洋(あさやま とうよう)
1976年7月29日生、福岡県出身。1994年ドラフト3位でカープに入団。怪我に見舞われたプロ生活だったが、2000年には58試合に出場し5本塁打を放った。2004年限りで現役引退。2005年から二軍、三軍のコーチを15年務め、数多くの若手選手を一軍の主力に育てあげた。2020年からは一軍打撃コーチを務めている。