◆新たな主役は誰だ!?若鯉たちの決意表明
2人の即戦力左腕、社会人を代表する右の長距離砲、将来有望な高卒スラッガーなど、全11選手が、4年ぶりの優勝に向け、生まれ変わりつつあるカープに加わった。昨年末に開催された新入団会見前に行った独占取材をもとに、プロの舞台に飛び込む11選手の熱き思いを届ける。
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【新入団選手連続インタビュー#9】
ドラフト5位・松本竜也（Honda鈴鹿）
◆悔しさをバネに社会人で大きく飛躍。プロ入りの切符を掴み取った
「指名されるか自信はありませんでした」。一昨年のドラフトで指名漏れの苦渋を舐めた松本竜也。しかし、そこで立ち止まることなく、自分を見つめ直し鍛錬を重ねてきた。打者が思わず振り遅れる体感スピードのあるストレート、キレ味抜群のカットボールが松本の持ち味。それに加えて、チェンジアップの習得にも意欲を燃やす。悔しさをバネに飛躍した社会人右腕にかかる期待は大きい。
─一昨年のドラフトで指名されなかった悔しさを糧にした社会人時代だったのではないかと思います。プロ入りに向けて、貫き通してきたことはありますか？
「『自分に何が足りなかったのか』を常に考えながら、投手として、チームを勝たせるためにはどうすればいいのか？ どんな投手になるべきなのか？ を考えてきました。そのなかで、『チームを勝たせる投手』をテーマに掲げ、普段の練習や試合でも〝今のままでチームを勝たせることができるのか〟、〝本番で通用する練習ができているのか〟ということを考えながら取り組んできました。精神的にも技術的にも、とても成長した一年でした」
─ドラフト指名後、周りの方からはどのような言葉をかけられましたか？
「監督は、一昨年指名されず悔しい思いをしたことを知ってくれているので、一緒に喜んでくださり、『これからは社会人よりも厳しい勝負の世界だぞ』と激励してくださいました。また、母とはドラフト指名後に電話で話をしました。喜んでくれる一方で、ここからが勝負だねと。正直なところ、今回ドラフトにかかる自信はありませんでした。それだけに驚いたというのが率直な思いです。周りのみなさんに支えてもらったからこそ、今があると思うので、感謝を忘れずプレーしたいです」
─社会人でプレーをする中で、一番レベルアップしたと自信を持っている球種を教えてください。
「カットボールです。カットボールを覚えたことで、打者に迷いを与えることができるようになり投球に幅ができました。それまではゴロを打たせる投球を心がけていましたが、ストレートとカットボールを投げ分けることで、空振りをとることもできるようになり、それが自信につながりました。担当の松本スカウトにも、『ストレートとカーブに加えて、空振りのとれる球があると良い』と言われていたので、カットを覚えた時には『良い球を投げているね』と声をかけていただきました」
─その他にアピールしたい球種は？
「ストレートとカットボールが軸になりますが、チェンジアップなど、落ちる球の精度も磨いていきたいと思っています。昨年11月の都市対抗野球では東邦ガスに補強選手として参加させていただいたのですが、東邦ガスにはチェンジアップの得意な投手が多かったので勉強になることが多かったです。プロで通用するレベルに仕上げていきたいと思います」
─プロ一年目の意気込みをお願いします。
「まずは開幕を一軍で迎えることを目標にしています。一軍に上がることができれば、与えられたポジションで一つひとつ役目をクリアしていきたいと思います。ポジションにこだわりはありません。チームに足りない場所があり、そこで求められるのであれば、その期待に応えられるように投げ抜くだけです」
■松本竜也（まつもと・りゅうや）#45 ■1999年9月18日生（22歳）
■178cm／87kg ■右投右打／投手 ■奈良県出身 ■智弁学園高ーHonda鈴鹿
