お笑い芸人として活躍中のザ・ギース尾関高文氏の連載。これまでカープに在籍した歴代外国人選手を、時には厳しく、時には優しく、時にはユーモアを交えながら、尾関氏ならではの視点で紹介していく。それでは今回もタイムマシンに乗った気分で、“海を越えてカープにやってきた外国人選手”を振り返っていきましょう。

カープファン的2008年度流行語大賞は……

「カープ助っ人史上最も『剛腕」なピッチャーはコルビー・ルイスです」

そう断言してもいいほどに、ルイスはすさまじいパワーを持った選手でした。「いやいやサファテやミコライオも結構な剛腕だったじゃないか」。そんな声も聞こえてきますが、ルイスは全てが「剛」でした。あの太い腕、厚い胸板、そしてエネルギッシュな顔。生まれながらに剛腕であることを義務付けられているような、そんな助っ人でした。

ルイスがカープに来たのは2008年。エース・黒田博樹さんが2007年オフにメジャーへ行くことが決まり、カープファンの心にポッカリとあいた穴を埋めるかのように来日しました。

「物凄い球を投げる助っ人が来る」 

そんな情報に半信半疑だった僕は、ルイスのピッチングを見て度肝を抜かれます。とてつもないストレート。襲いかかってくるようなスライダー。そして鬼の様に早い投球テンポ。各球団の主砲をなぎ倒し、小笠原道大さんやラミレスなどを擁する強力巨人打線をもねじ伏せるその姿は、黒田ロスだった僕の、いやすべてのカープファンの救いとなりました。2008年の流行語が、なぜ当時カープファンの間で流行った「神様、仏様、ルイス様」では無く、エドはるみの「グ〜!」だったのか今だに納得できません。