2021年シーズンを、12勝13分13敗で終えたサンフレッチェ広島。リーグ順位は11位と、残留争いにこそ巻き込まれなかったものの課題の多く残るシーズンとなった。その一方で、最終盤には沢田監督就任後、初勝利となるゲームも生まれるなど、来季への光も見えてきた。

 ここではサンフレOBの吉田安孝氏が、独自の目線で選んだ、月間(2021年11月20日・清水戦〜2021年12月4日・徳島戦)MVP&ベストゲーム&2021年間MVPを紹介する。

日本代表にも選出され、名実ともにサンフレッチェ広島の顔となった佐々木翔。

◆[月間MVP/藤井智也]
試合中の果敢なチャレンジがついに結実!J初&バースデーゴールも決めた

 徳島戦のゴールも素晴らしかったですが、その後のエゼキエウへのアシストに大きな成長を感じました。きれいなカーブがかかった滑らかなクロスを完璧なタイミングで供給できたのは、これまで何度もチャレンジを繰り返してきた成果の現れだと思いますね。

◆[月間ベストゲーム/Jリーグ第38節:VS徳島ヴォルティス]

 12月4日、シーズン最後の試合を4-2の勝利で締めくくることができて、本当に良かった! 藤井やエゼキエウの成長も見ることができ、次のシーズンが楽しみになる試合でした。相手に2点を許してしまいましたが、GK大迫の果敢なチャレンジも良かったと思います。

◆[2021年間MVP/佐々木翔]
チームを牽引する姿はまさにファイター。キャプテンマークがふさわしいプレーヤーに成長

 プレーそのものも試合中の表情も、全てがファイターとしてピカイチ。チーム内ではベテランと若手の中間の立場ですが、そこからチーム全体を見て、若手を引っ張り、自分自身も常にベストコンディションを維持していました。キャプテンとして、チームのことを考えているのが伝わってきますし、守備でも攻撃でも、そういう姿勢を常に持って取り組めるのが素晴らしいです。
 2021年シーズンは、日本代表の試合から帰国したらコロナの影響で隔離され別メニューで調整が必要だったりと、メンタル的にも大変だったと思います。そんな中で心身共に安定感を持って戦うことは、プロであっても簡単にできることではありません。体つきもますます逞しくなり、腕に巻かれたキャプテンマークが本当に相応しい選手になりました。