昨季30歳を迎えて、同期入団の今村猛は現役引退。カープでの13年目は、新たな気持ちと共に迎える一年となる。昨シーズンは打率1割台、0本塁打に終わるなど低迷が続いた。それだけに今季は、悔しさを晴らす大事なシーズンとなる。

 逆境に陥っても大好きな野球に対して真摯に向き合ってきた。ユニホームを着続ける限り、何があっても決して諦めない。背番号7の今季に懸ける決意を届ける。(全3回のうち2回目・取材は1月中旬)

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今年の日南キャンプ。堂林翔太が初日の声出しを担当した。

◆若手から受ける刺激を原動力に

ー年齢を重ねるごとに、野球に対する気持ちやチームメートとの関わり方などで、ご自身の気持ちの在り方の変化を感じることはありますか?

「もっと視野を広げて考えないといけないのかもしれませんが、そこはまだ自分のことだけで精一杯ですね。ただ、違った形で周りを見ることができるようになれば、もしかすると成績も上がってくるのではないかと考えることもあります」

ーチームを見渡すと、ベテランと呼ばれる域に入ってきました。

「そうですね。いつの間にか上から数えたほうが早い年齢になってきたので、若い選手から求められれば僕なりの経験を伝えたいですし、若手から刺激を受けることも多いので、一緒に成長していけたらいいなと思っています」

ー堂林選手の一軍デビューはプロ3年目でした。昨年一軍で活躍した小園(海斗)選手や林(晃汰)選手も同じ高卒3年目で大きく飛躍しました。当時の自分と重ね合わせたりすることはありますか?

「彼らは当時の僕よりも結果を残しているので、僕がどうこう言うことはないですね。小園も林も1年間、一軍で試合に出て、良いことも悪いことも含めて、いろんな経験ができたのではないかと思います。結果が出ないことに悩んだりもしたでしょうし、シーズンを通して一軍でプレーする難しさも経験できたのではないかと思います」

ー同年代には大瀬良(大地)投手、九里(亜蓮)投手がいます。彼ら2人からはどんな刺激を受けていますか?

「2人ともカープに残留(昨年国内FA権を取得)してくれたことが本当に心強いです。今年から大地が選手会長、僕と九里が副会長をやらせてもらうので、大地一人の負担が大きくならないように、しっかりとコミュニケーションをとりながら、3人で協力して良いチームをつくり上げていきたいと思っています」(続く)

◆堂林翔太 #7
1991年8月17日生、愛知県出身
183cm・92kg/右投右打/内野手/プロ13年目・30歳 中京大中京高-広島(2009年ドラフト2位)