今季初のオープン戦となった2月26日の巨人戦。この試合で、4番に座ったのは新人の末包昇大だった。5回の第3打席、2死一塁で打席に入った末包は、特大の先制2ランを放ち、さっそく結果を残してみせた。

 鈴木誠也の抜けた4番打者候補として名前があがる末包。ここでは、社会人を経験してプロ入りしたスラッガーが、カープ入団前に話した言葉を取り上げる。ドラフト指名直後に行った独占インタビューで、末包が話していた理想の打撃とは。

開幕一軍入り、そして開幕スタメンに向けてアピールを続ける末包昇大。

◆パワーとスピードを備えた長距離砲。目指すは第二の鈴木誠也

─ドラフト6位での指名でした。指名の瞬間をどんな気持ちで迎えましたか?

「順位よりも指名されるかどうかを気にしていました。待っている時間が長かったので自分の名前が呼ばれた時は素直にうれしかったです。一緒にドラフトを見ていた監督とコーチに祝福の言葉をかけていただき、これまで支えてきてくれた妻からも『本当に良かったね』と言ってもらえ二人で安心しました」

─プロの世界では、どういったところをアピールしていきたいですか?

「体の大きさを生かしたパワー、長打が打てるところをアピールしていきたいです。本塁打はもちろん、長打率も上げて、即戦力として一年間一軍で戦いたいと思っています」

─社会人で一番成長したと感じる部分は?

「確実性です。そのために打撃フォームを固定しました。体勢を崩されてもバットに当てれば安打になるという感覚はあるので、どんなに体勢を崩されたとしてもバットの出し方を変えないということは心がけてきました」

─その理想とする打撃を実践する上で参考にされた選手はいますか?

「鈴木誠也選手です。一昨年まではいろんな選手の動画を見ながらスイングの参考にしていたのですが、昨年に入ってからは、鈴木選手のスイングだけを参考にしました。球との距離の取り方が上手くて、一番バットが出しやすい距離で、きれいにバットを出されている印象があります。分かりやすく言うと、非常にシンプルな打ち方だと感じています。だからこそ、打率を残せて本塁打も打てているのではないかと思います。鈴木選手と会えたら、スイングの軌道や、相手バッテリーとの配球の読み合いについて教わりたいですね。プロでは、鈴木選手のような高いレベルを目標にしていきたいと思います」

─末包選手は足の早さも魅力です。守備や走塁で意識していることを教えてください。

「野球をやっている以上、打って・走って・守れることを求められるので、全ての面で常に自分の最善のプレーをすることを意識しています。体型でいくと東洋大の頃から、体重100キロを目指して体づくりに励んできました。心がけていたのは筋肉で体を大きくすることです。筋肉をつけて体格を維持した上で、パワーを活かした打撃ができるようにトレーニングを重ねてきました」

─大学同期の梅津晃大投手(中日)や上茶谷大河投手(DeNA)との対戦も楽しみです。 

「二人以外にもプロに進んだ同期がいるのですが(藤井聖(楽天)、中川圭太(オリックス)、甲斐野央(ソフトバンク))、みんなから連絡をもらいました。特に同じセリーグの梅津と上茶谷からは『対戦できるな』という連絡が来たので、『まずは同じ土俵に立てるように頑張る』と返しました。同級生に負けないように、まずは開幕一軍入りを目指していきます」

※アスリートマガジンWEBに2022年1月19日に掲載

■末包昇大(すえかね・しょうた)#52  ■1996年5月27日生(25歳)
■188cm/110kg    ■右投右打/外野手 ■香川県出身    ■東洋大ー大阪ガス