コロナの影響で一部主力野手が離脱し若手野手主体でスタートした春季キャンプ。今回は長距離砲の若手3選手の争いと新任コーチたちの話題を中心にキャンプを視察した笘篠氏が語っていく。
※取材は2022年2月中旬。

ルーキーの末包昇大は188cm、110kgという大柄な体格から放たれる大きな打球が特徴。中村健人らと一軍争いを演じる。

◆新風を吹き込む2人のルーキー

 今回のキャンプはコロナの影響などで出遅れた選手がいますが、若手選手が例年以上に注目を集めている印象がありますね。

 まず目についたのがルーキーの中村健人と末包昇大です。何と言っても2人の特徴はパンチ力ある打撃と長打力です。今季は長年チームの主軸を務めてきた鈴木誠也が抜けた中で、右の長距離砲という面で注目されています。

 この2人を比べてみると、末包の方が体格が大きい分、どちらかと言えばより遠くに打球を飛ばすパワーがある印象を受けました。シート打撃を実際に見せてもらいましたが、まだ引っ張りにかかっている部分が見受けられ、少し体の開きがあり、バットを早く振ろうとする意識が強いように感じました。真ん中からインサイドに対しては対処できても、アウトコースに対しては始動が早い分、ひっかけ気味となります。この点に関してはこれから修正が必要となる可能性があるでしょうね。

 一方の中村健については、末包とは逆でセンターを中心に打ち返す打撃ができているように感じました。〝対応力〟という面で考えると、中村健の方がキャンプ序盤を見る限りでは良い面を発揮している印象でした。

 打球角度に関しては、これから出していけば非常に楽しみな存在になるのではないでしょうか。また彼は見た目よりも走力がある選手です。これから増えていく実戦の中で、走塁面でもアピールしてほしいものです。