勝てる投手になるために考え続けた4年間。大学で成長を果たした左腕がプロの世界に挑む。カープのレジェンド左腕・大野豊氏が身につけた『24』を受け継いだドラフト1位の即戦力投手。勝負の1年目に懸ける意気込みを聞いた。(全3回のうち2回目・取材は2022年2月上旬)

レジェンド左腕・大野豊氏(写真左)が現役時代につけていた24番を受け継ぎ、プロ生活をスタートさせた黒原拓未。

◆一軍投手から感じた安定感。活躍するために必要な要素

(1回目から続く)
─大瀬良大地投手や森下暢仁投手など、ブルペンで先輩投手の投球を間近で見てどう感じましたか?

「一番感じたのはバランスの良さです。僕自身、まだ日によって投球フォームにばらつきがあり、制球が安定しないときもあるのですが、先輩方は調子の良し悪し関係なく、軸となる部分がしっかりしていて、狙ったところに投げておられます。一軍で活躍するためには、早くそのレベルまで達しないといけないと感じました」

─キャンプ中、先輩投手からアドバイスなどはありましたか?

「先日、キャッチボール中に九里(亜蓮)さんが声をかけてくださり、変化球の投げ方についてアドバイスをいただきました。キャンプを過ごしていくうちに、いろいろな先輩と話をする機会も増えていくと思うので、吸収できる部分はしっかりと吸収して、日々の練習に活かしていきたいと思っています。同じ左腕の床田(寛樹)さんや森浦(大輔)さんにも話を聞いてみたいです。1年目ですから、とにかく貪欲に勉強していきたいと思っています」

─カープで22年間現役生活を続けた、同じ左腕の大野豊氏がつけていた背番号を受け継ぎました。『24』を背負うことをどう感じていますか?

「大野さんからは『24番は、今は黒原の背番号なんだから、自分のことは気にせずにプレーしてほしい』と声をかけていただきました。少なからず重圧を感じていた部分はあったので、大野さんからそう言っていただき、少し気持ちが楽になりました。 〝24番は自分の番号なんだ〟という気持ちを持ってプレーして、チームのためにも良い成績を残していければと思っています」(続く)

◆黒原拓未(くろはら たくみ)
1999年11月29日生(22歳)/和歌山県出身/173cm・76kg
左投左打/投手/智弁和歌山高-関西学院大-広島(2021年ドラフト1位)