勝てる投手になるために考え続けた4年間。大学で成長を果たした左腕がプロの世界に挑む。カープのレジェンド左腕・大野豊氏が身につけた『24』を受け継いだドラフト1位の即戦力投手。勝負の1年目に懸ける意気込みを聞いた。(全3回のうち3回目・取材は2022年2月上旬)

2020年の森下暢仁、2021年の栗林良吏に続く、3年連続・ドラフト1位の新人王の期待がかかる黒原拓未。

◆3人そろって一軍で活躍する、そんな未来を迎えられるように

(2回目から続く)
─以前の取材で高校時代から仲が良いと言われていた林晃汰選手(学年は一つ下)からはどんな影響を受けていますか?

「もちろん良い刺激になっていますし、純粋に、晃汰とまた一緒のチームで野球ができるのがうれしいですね。(小林)樹斗も高校時代は一緒にプレーしていませんが、同じ智弁和歌山高出身なので、自分も含めて、3人そろって一軍で活躍できるような未来を迎えられるように頑張りたいです」

─ちなみに今の林選手は、黒原投手から見てどんな打者ですか?

「晃汰は高校の時からすごい打者でした。入ったばかりの僕が言うのもおこがましいのですが、スイングが力強いですし、球を遠くに飛ばす力もある。きっとこれからは捉える精度が増し、打率も上がっていくでしょうから、これほど頼もしい味方はいません」

─プロ1年目のシーズン、どんな目標を持ってプレーしていこうと考えていますか?

「目標は〝1試合でも多くチームの勝利に貢献する〟ことです。大学時代も、勝てる投手になるためには自分に何が必要かを、常に考えて練習に取り組んできました。カープでも、それは考え続けていかないといけないことだと思っています。また、プロで投げる以上、自分のためだけにプレーするのではなく、応援してくださるファンの皆さんやチームのために、必要とされるところで投げていきたいです。ペナントレースは長いですが、なんとか1年間、一軍の舞台で投げ続けたいです」

─投手として目標にしていきたい数字はありますか?

「数字はあとからついてくるものだと思っているので、1日1日、しっかりと目の前の課題に取り組み、成長していくことを心がけています。その過程を経て、まずは一軍で開幕を迎えられるようにしたいです。そしてシーズン終盤に、新人王などのタイトルを狙える位置にいられたらと思っています。周囲の期待に、結果で応えることができるよう頑張ります」

◆黒原拓未(くろはら たくみ)
1999年11月29日生(22歳)/和歌山県出身/173cm・76kg
左投左打/投手/智弁和歌山高-関西学院大-広島(2021年ドラフト1位)