2006年から4年間カープの監督を務めたマーティー・ブラウン氏。2010年は楽天監督としてカープと戦った。

◆印象深い恩師との対戦

  梵氏はルーキー時代の2006年から2015年の10年間、交流戦を経験してきた。印象に残る数々のシーンの中でも、特に印象深いのは“恩師”との対決だったという。

 「2010年の楽天戦はよく覚えていますね。その年は前年までカープで監督を務めていたマーティー・ブラウンが楽天の監督に就任した年だったんです」

 数々の監督の下でプレーしてきた梵氏だが、ブラウン監督は、プロに入り初めて仕えた監督。それだけに歴代監督の中でも、特別な存在として心に残っている。

「やっぱりルーキーだった自分を起用してくれた監督ですし、思い入れはありましたね。その分、敵として対戦したときは変な感覚でした。対戦したときは、成長した姿を見せたいという思いが強かったですね」

 いつも以上に気合を入れて臨んだ2010年の楽天戦、一回り目の対戦となった5月14日、15日は無安打に終わったものの、2回り目の第2戦・5月30日には猛打賞を記録。恩師に対して、一回り大きくなった自分を見せつけることができた。

 またパ・リーグファンにはおなじみの、あの“熱狂応援”も梵氏の目には新鮮に映っていたようだ。

「年度関係なく、いつも気になっていたのは千葉ロッテの応援です。応援の迫力は噂に聞いていましたが、初年度に目の当たりにして驚きましたね。グラウンドレベルでもあの迫力は意識してしまいますよ。他の球団の応援とは一線を画す独特の応援スタイルは唯一無二だと思います」

 今季は残念ながら中止となった交流戦だが、来季こそは再び選手たちの熱い戦いを見られるはず。セ・リーグとパ・リーグの意地がぶつかり合う交流戦、来季はどのようなドラマを見せてくれるのだろうか。