開幕3連勝を飾ったカープ。3戦目には昨年新人王の栗林良吏が今季初登板。1点を失うも、クローザーとしての仕事を果たし、今季初セーブをあげた。今回のコラムでは、カープOBの大野豊氏に、2年目のシーズンを迎えた栗林について語ってもらった。

昨季、圧巻の成績で新人王に輝いた栗林良吏。防御率は脅威の0.86、37Sはルーキー最多タイ。新人30S以上で防御率0点台は史上初の快挙だった。今季も広島の守護神として最終回のマウンドを託される。

◆守護神・栗林の成長に期待

 栗林ですが、一年目の成績は素晴らしいものでしたが、今季、それを超える結果を出そうとすると苦しい一年になってしまいかねません。

 当然相手チームも研究してくるだけに、今季は打たれることもあるでしょうし、負けが続くことがあるかもしれません。ただ、栗林は一年を通して評価されるべき投手だと思うので、とにかく一戦一戦をしっかり投げてほしいと思います。

 どうしても好成績を残した次のシーズンは周囲の期待も大きくなります。やって当たり前という捉え方をされることもありますが、この〝当たり前〟が一番難しかったりするものです。

 例え失敗しても切り替える、結果を引き摺らないといった心の整え方も大切になってくるでしょうね。私も現役時代、何年プレーしても、体ができて投げられるようになるまでは不安を感じていました。

 そして、その不安を解消するにはキャンプで練習しかありませんでした。プロ生活はその繰り返しです。その中で心がけていたのは『スタートダッシュ』です。選手として、スタートの波に乗り遅れないことを意識していました。少しでもスタートが遅れてしまうと、考え過ぎてしまったり力んだ投げ方になってしまうので、気持ちにゆとりを持てるような状態をつくりたいという思いがありました。

 栗林も昨年いろいろなことを経験して、今年はさらに進化しようと本人も意気込んでいるはずです。自主トレやキャンプでは下半身の強化に取り組んだと聞いていますから、昨季のような良いスタートダッシュを切ってくれることを願っています。