サンフレッチェ広島OB・吉田安孝氏がチームに対する愛情と情熱をぶつける全力コラム。新シーズンを戦うチームへの想いを語ってもらった。※取材は3月上旬。

若手選手が多く台頭する中、中軸で抜群の安定感を見せている青山敏弘。

◆チームに生まれている良い循環

 2月19日に新シーズンが開幕し、このコラムの時点で(3月14日時点)、リーグ戦3試合、ルヴァンカップ2試合が行われました。

 気になる今のチーム状況は……、非常に良いと思います! 

 鳥栖との開幕戦(△0ー0)は、ややアグレッシブさに欠ける試合になってしまいましたが、開幕戦にはどうしても独特の緊張感があり、プレーも硬くなるものです。さらに、鳥栖もしっかり走って戦うという伝統が引き継がれた良いチーム状態だっただけに、難しい戦いだったと思います。気持ちを切り替え、2節目以降は自分たちのサッカーができたのではないかと思います。ここまでの試合について振り返っていきましょう。

 2月26日の札幌戦(△1ー1)と3月6日の神戸戦(△1ー1)は、開幕戦から一転してアグレッシブに戦うことができていました。カウンターを受けることもありましたが、それは積極的にプレーしているから起きてしまったことで、悪い失敗ではありません。

 課題が見つかればその都度修正し、また次に挑むという姿勢が大切です。リーグ戦ではまだ勝ち点3の試合はありませんが、どの試合もチャレンジしようという気持ちが非常に伝わってきましたから、こういうチーム状況なら、どんどん成長していけるはず。これからがとても楽しみです。

 スキッべ新監督も、3月6日の神戸戦からようやくチームに合流しました。監督不在のまま開幕を迎えるという前例のない事態でしたが、迫井深也ヘッドコーチをはじめとするコーチ陣がスキッべ監督とリモートでしっかりと連携を取りながら、チームをまとめてくれました。難しい面もあったと思いますが、コーチ陣の努力は素晴らしかったと思います。