今季、鈴木誠也から〝野手キャプテン〟を受け継いだ野間峻祥。プロ8年目のシーズンは、言動に責任と覚悟を持つことが求められる。今回のインタビューでは、リーダーとしての心得を中心に話を聞いた。自身が考える理想のリーダー像、そしてユニホームに『C』マークを宿す意味。プロ野球選手として新たなスタートを切った、野間の決意に迫る。(全3回のうち1回目・取材は2022年3月上旬)

鈴木誠也が抜ける今季は、これまで以上に機動力野球が求められる。スピード感溢れるプレーが魅力の野間峻祥が持ち味を存分に発揮すれば、チームの得点力向上にもつながっていく。

◆僕たちの世代が中心となって若手を引っ張っていきたい

─今季から野手キャプテンに就任されました。指名を受けた時の心境は?

「シンプルに〝びっくり〟という気持ちだけでしたね。驚きしかなかったです」

─佐々岡真司監督、大瀬良大地投手、九里亜蓮投手の3人が話すなかで野間選手の名前があがり、就任要請を受けたと聞きましたが真相は?

「最初に話をいただいた時点ではまだ決定はしていなかったのですが、来年もしかしたら野手キャプテンをやってもらうかもしれないと言われました」

─ユニホームに今季から『C』マークが刻まれるだけに、これまでとは違った気持ちで一年を迎えられたのでは?

「そうですね。ここ数年で、自分より年下の選手が増えましたし、そういった選手たちが一軍での出場機会を増やしているだけに、今まで以上に自分自身のプレーを見つめ直しながら取り組まないといけないという気持ちがあります」

─鈴木誠也選手の後を受けての野手キャプテンですが、鈴木選手からは何かメッセージはありましたか?

「いつもの明るい感じで『頑張ってくださーい!』と言ってもらいました(笑)」

─キャプテンとして、若い選手とのコミュニケーションで心がけていこうと考えていることはありますか?

「今まで声をかけてこなかったというわけではないので、コミュニケーションに関しては、これまで通り続けていこうと思っています。まだまだ自分のことで精一杯なところはありますが、キャプテンの立場を与えてもらったからには、視野を広げていろいろなところに目を向けないといけないでしょうし、おかしなところやダメなところは、しっかりと指摘していく必要があると思っています。プロ野球選手として、一人の人間として成長するチャンスと捉えてキャプテンの役職と向き合っていきたいですね」

─ここ数年のカープは、20代前半から中盤の若い選手が数多く一軍で活躍していますが、そういった若い選手たちから受ける刺激も大きいのでは?

「僕もまだ30歳になっていませんし、まだまだ若いつもりでいますから、若い選手に負けるつもりは全くありません」

─今季は20代最後のシーズンとなります。どんな気持ちで臨んでいますか?

「今まではキクさん(菊池涼介)やアツさん(會澤翼)、松山(竜平)さんといった先輩方がチームを引っ張ってくれているところに付いて行っていた状態でしたから、これからは、選手会長の大瀬良さんを中心に、堂林(翔太)さんや僕たちの世代がチームの中心となって、若い選手を巻き込みながら引っ張っていかないといけないと感じています」(続く)

◆野間峻祥(のま たかよし)
1993年1月28日(29歳)/兵庫県出身/180cm/83kg
右投左打/外野/村野工高-中部学院大-広島(2014年ドラフト1位)