3月・4月は持ち味の“つなぐ攻撃”が目立った2022年度版のカープ打線。今回はシーズン序盤に活躍した選手を中心にOBの笘篠氏がカープ野手陣について語っていく。
※取材は4月上旬。

プロ15年目を迎える松山竜平の活躍にも期待がかかる。

◆打線の中軸打者として期待高まるマクブルームの存在

 打線で注目しているのは、新外国人のマクブルームです。彼の打撃の特徴は、引っ張り過ぎず広角に打てることです。また、打ちたい気持ちに負けることなく、きっちりと見極めた上で四球を選んでおり、チャンスメークに徹することもできていると思います。

 コンパクトなスイングだけではなく、フルスイングで本塁打も放っていますし、数多くの長打も期待できます。右打ちの4番という意味でも、非常に良い外国人打者を獲得したのではないでしょうか。

 こうなると、松山竜平との併用についても気になってきます。守備面で言うと、ここまでは一塁にマクブルームが入れば、レフトに松山が起用されることもありました。2人とも長打を期待できる打者だけに、私自身、そのような起用法は今後も見てみたいです。

 全体的に見ていくと、レギュラーで試合に出ていないベテラン選手たちも、今現在、自分自身に求められる役割をしっかり理解しているからこそ、良い戦いが展開できているのではないでしょうか。

 たとえば田中広輔も出番こそ少ないですが、出場時には守備面で貢献していると思いますし、チーム内の競争の中で役割を全うしようという姿勢を感じます。また、曽根海成も試合終盤のシビれる場面で代走出場すると積極的に盗塁を決めるなど、その存在感は光っています。