社会人の名門・トヨタ自動車の4番を担ってきた即戦力野手。開幕一軍入りを果たすと、開幕3戦目ではプロ初スタメンを経験。3月30日の阪神戦では代打で登場しプロ初安打を記録した。ベンチでは声を途切らせることなく、チームにエネルギーを与える。ムードメーカーの一面も併せ持つスラッガーの魅力に迫った。
(全3回のうち2回目・取材は2022年4月上旬)

新人ながら、開幕から一軍で活躍を続ける中村健人

◆今の実力だと素直に受け入れたことで生まれた進歩

─キャンプから一軍で過ごしてきて、手応えを感じた部分と、課題だと感じている部分を教えてください。

「自信を持っているのは守備と走塁です。課題は明白で打撃面。練習では良い感覚で打てていますが、納得のいく結果は出ていません。打撃で結果を残せるようになれば、もっと自信を持って打席に立てると思うので、日々、鍛錬を重ねていきたいですね」

─開幕3戦目のDeNA戦。『6番・センター』として、プロ初スタメンで起用されるも2打席連続三振。この結果はどう受け止められましたか?

「オープン戦では、左投手との対戦で良いアプローチができていたので、DeNAの左投手への準備もしっかりできていました。開幕3戦目は左の坂本(裕哉)投手が先発ということもあり、試合日の朝にスタメンを告げられました。“よし、きた!”という思いで挑みましたが、結果を残すことができませんでした。ただ、それが今の僕の実力だと素直に受け入れました」

─その悔しい結果を受け、取り組んだことはありますか?

「試合では、練習とは違うアドレナリンが出るだけに、相手投手の球も力を増します。その球にどうバットを出していくかをイメージして練習に取り組みました。DeNA戦の結果があったからこそ、新たなアプローチを加えることができ、それが阪神戦でのプロ初安打につながったと思っています」(続く)

◆中村健人(なかむら けんと)
1997年5月21日(25歳) /愛知県出身/183cm・90kg
右投右打/外野手 /中京大中京高-慶応大-トヨタ自動車-広島(2021年ドラフト3位)