開幕から好調をキープし、GW終了時点で貯金5の2位に付けているカープ。ここまでの戦いではルーキーたちの奮闘が目立っている。改めて新入団選手たちの現在地をレビューしていく。※成績は5月8日終了時点。

開幕から一軍で活躍を続ける末包昇大(今季の春季キャンプで撮影)

◆打撃で実力を示す末包、強肩見せた中村健人

 GWも見せてくれたのは、外野手のルーキー2人だ。

 まずはドラ6・末包昇大。5月8日のDeNA戦で久々のスタメンに入った末包が4回に2号満塁本塁打をかっ飛ばしたのは、GWのチームハイライトに入るシーンだろう。

 21試合で打率.323(62打数20安打)、2本塁打、11打点は大奮闘の結果だが、欲を言えば、ここから自慢の長打力を見せてほしい。64打席で1四球は積極性の表れでもあるが、これから訪れるであろう“調子の波”も不安要素か。

 2人目はじわりと上昇中のドラ3・中村健人だ。こちらは開幕から末包ら外野陣の陰に隠れていたが、GWにまとまったスタメン出場の機会を得ると、5試合連続安打。

 さらに5月5日の巨人戦では、ライトからのレーザービームで2度の本塁封殺。堅実性をアピールしている。

 分母はやや少ないものの、15試合で打率.267(30打数8安打)、0本塁打、2打点、出塁率.333。コンスタントにヒットを放てるタイプだろう。

 GWには中村が積極起用されたが、末包の疲労抜きの意味合いもあったはず。外野には西川龍馬と堂林翔太が並び立つが、ルーキー2人揃っての出場も今後は増えてきそうだ。

◆再び一軍に返り咲きたい黒原拓未&松本竜也

 試練の時を迎えたのは、ドラ1左腕の黒原拓未だ。開幕からリリーフ陣に入り、7試合連続無失点の好投を続けていたが、直近5試合中4試合で失点。12試合で0勝0敗1ホールド、防御率6.52の成績で5月5日に二軍降格となった。

 ただ、打者44人から11三振を奪っており、与四死球5も投げっぷり型の左腕としてはハイレベルな域。失点の原因は、ストライクゾーンに投げる球のバリエーションが他球団に研究され始めたからではないだろうか。

 ドラ5・松本竜也も4月28日に二軍降格したが、9試合に登板し、防御率2.61と存在感を示した。180センチ、公称87キロの肉厚ボディから放つストレートは威力十分。「ブン!」とリストで押し込む力強さは必見だ。アバウトな球が減れば、ポスト・中﨑翔太も夢ではないだろう。

 現状、中継ぎはチーム最大の弱点になっている。黒原、松本ともに課題を克服し、再び一軍戦力に返り咲きたい。

◆そろそろドラ2・森翔平にも出番が回るか

 ドラ2・森翔平もウエスタンリーグで5試合を投げ、2勝1敗、防御率3.23と躍動中だ。先発枠では5月5日に玉村昇悟に代わってアンダーソンが一軍に上がったが、遠藤淳志らの疲労次第では交流戦あたりに出番が回って来るかもしれない。

 高卒新人のドラ4・田村俊介、ドラ7・髙木翔斗は二軍修行中。田村は未来の中軸、髙木は未来の正捕手候補として成長を見守りたい。