プロ2年目の昨季はチームトップの投球回を記録しながら、勝てない苦しみも味わった。残した数字は到底納得のいくものではない。しかし森下は、課題を成長の原動力にしてきた。今回の独占インタビューでは、『5つのトピック』をもとに、森下本人の言葉で“進化の秘密”を探っていく。(全3回のうち3回目・取材は2022年4月上旬)

自分を客観的に分析し、向上心を持って練習に取り組めるのも森下暢仁が結果を残し続ける理由の一つ。安定感を増した投球で今季も先発ローテを守り抜く。

◆トピック4・3年目の進化

─プロ3年目はさらなる飛躍が期待されるシーズンになります。進化するために、今季、これだけは貫き通すと決めているものはありますか?

「そうですね……。シンプルですが、やっぱり先発ローテーションを守り通すことですね。そのためにはケガをしないことが大前提となってきます。ケガなどで離脱することなく、シーズンを通して投げ抜くことができるように、しっかりと良い準備を重ねていきたいですね」

─昨年は侍ジャパンに選出され、東京五輪での金メダル獲得に貢献されました。世界を舞台に投げた経験は、今の森下投手にどんな影響を与えていますか?

「実績のあるすごい選手が集まっていたので、そういった方々がプロとして結果を残すためにどんなことを考え、どんなことを実践しているかなどを学ぶことができました。非常に良い経験をさせてもらったと思っています」

得点圏にランナーを背負っても大量失点を喫しないのは森下暢仁の持ち味。ピンチの場面でも怯むことなく力強い球を投げ込み打者を圧倒する。相手に流れを渡さない粘り強い投球で試合をつくっていく。

◆トピック5・エース

─着実に結果を残されているだけに、次期エースとしての期待も大きいです。プロ3年目を迎えた今季、エースに求められる役割をどう捉えていますか?

「先ほどと同じ答えになるかもしれませんが、ケガをせず、1年間先発ローテーションを守ることが一番大事な役割だと思っています。長いイニングをしっかりと投げられるように準備して、1週間に一度のマウンドで、求められる結果を残していけるようにしたいです」

─期待が大きい分、プレッシャーを感じることもあるのではないかと思います。そういった周囲の期待とはどう向き合っていこうと考えていますか?

「期待に応えるためにも1試合1試合を大切に投げていくことが大事だと思っています。今季2度目の登板の4月2日の中日戦ではリードを守りきることができませんでした。昨年悔しい経験をしただけに、今季はこういった勝てる試合を逃さないことがより重要になってきます。今年は昨年以上に、球場に足を運ばれるファンの方が増えると思うので、一つでも多くの勝利を届けることができるように、与えられた役割を全うしていきます」

◆森下暢仁(もりした まさと)
1997年8月25日生(24歳)/大分県出身/180cm・78kg
右投右打/投手/大分商高-明治大-広島(2019年ドラフト1位)