開幕から好調を維持する2022年度版のカープ打線。今回はプロ4年目の小園海斗について、OBの笘篠氏に独自目線で語ってもらった。
※取材は5月上旬。

4月下旬以降、復調の兆しが見られる小園海斗。5月8日にはシーズン第1号を放つ活躍を見せた。

◆現有戦力を活かした試合展開。不調の小園は打順変更が奏功

 カープは4月を終え、チーム打率と得点数はリーグ2位、犠打数はトップと、開幕戦から非常に良い状態を維持できています。ここまでのカープ打線は、現有戦力を活かした理想的な攻め方ができていると言えるでしょう。エンドランや犠打を巧みに組み合わせ、点が取れる確率の高いスコアリングポジションまでランナーを進めて確実に1点をとりにいくという試合が展開できていると思います。

 打順も比較的固定されています。当初は小園海斗を3番で起用していましたが、調子が上がってこないこともあり4月後半からは8番へ打順を変更しました。なかなか調子が上がらず苦しんでいる小園ですが、打順が下がったことにより、これからは少し楽な気持ちで打席に立てるようになるのではないでしょうか。

 小園の不調には、少なからず疲労も影響しているでしょう。それに加えて、『精神的な焦り』もあるかもしれません。プロ1年目と昨シーズンは一軍で結果を残しましたが、一昨年はほぼ一軍での出番はありませんでしたから、本人としても、一軍起用されるようになって実質2年目という感覚があるのかもしれません。

 そんな中でなかなか調子が上がってきていないこともあり、小園自身、焦りを感じている部分もあるのでしょう。個人的には、ここで一度精神的にリセットして、ゼロからスタートさせても良いのではないかと思います。打撃面では、フライが多いことも気になります。小園に必要なのは、強いゴロ、強いライナーを打っていくことだと感じます。

 まずは『二塁へライナーを打つ』くらいの気持ちでスイングをすることが大切です。そうすればバットのヘッドが落ちなくなりますから、インサイドを攻められても一・二塁間を抜けていく打球を打てる確率が高くなり、レフト方向への強い打球も生まれやすくなります。二塁に強い打球を打つことを意識した練習をすることで、復調のきっかけを掴むことができるのではないかと思います。

 私自身も現役時代、調子が落ちてきたり疲れが出てくるとフライを打ってしまいがちでした。そのときによく言われたのが「二塁に強い打球を打ちなさい」ということでした。小園は守備での貢献度が非常に高く、いまやカープに欠かせない選手です。早く打撃の状態を上げていき、攻守の両面で活躍してもらいたいですね。