6月3日のオリックス戦で3番スタメンを果たした中村奨成。

 6月3日のオリックス戦、ついに中村奨成が3番・ライトの中軸でスタメンに名を連ねた。

 西川龍馬が下半身のコンディション不良で登録抹消されたため、代役ではあるが、いきなり4打数3安打で絶好の“3番デビュー”を果たした形だ。

 中村奨成といえば、2017年夏の甲子園で1大会最多の6本塁打を放ち、高校野球史に名を刻んだスラッガー。実戦では本塁打量産には至っていないが、昨季の一軍初本塁打はとんでもない角度で上がっていった。爆発的な身体能力の持ち主でもあり、本格的に中軸を担う打者に成長しても不思議ではない。

 今季はマクブルームが4番を担っているが、チームとしてもいずれは生え抜き大砲が出てくるのが理想だろう。「ポスト・鈴木誠也」を狙う大砲候補を探ってみたい。
(成績は6月6日終了時点)

◎正隨優弥(26歳/右投右打/外野手)

 飛ばし屋といえば、大卒4年目の正隨優弥は見逃せない。180センチ100キロのボディからカチ上げるスイングはパワフル。昨季は二軍戦70試合で11本塁打を量産した。

 今季も28試合で3本塁打を放っており、ツボに入った打球はどこまでも飛んでいく。一軍の外野層は厚いが、後半戦には「二軍の4番」を卒業したいところだ。

◎林晃汰(21歳/右投左打/三塁手)

 昨季、鈴木誠也が負傷した際には「4番」の大役を担った林晃汰。5年後のカープを想像したとき、林を4番に据える人も多いのではないだろうか。

 あのゴツい下半身と強烈なスイングは松井秀喜や嶋重宣を彷彿とさせるゴジラ系。特に、実際の試合で林を見たカープファンはその迫力にロマンを感じたはずだ。

 今季はオープン戦から不振に陥り、二軍でも打率1割台に沈んでいるが、まだまだこれから。本格ブレイクの日を待ちたい。

◎木下元秀(20歳/左投左打/外野手)

 育成選手ながらあなどれないパンチ力を誇るのは、高卒3年目の木下元秀だ。ルーキーイヤーから二軍戦70試合で7本塁打をかっ飛ばしたパワーが自慢の外野手。

 その後もコンスタントに二軍で出場機会を掴み、今季も39試合に出場。打率.269、2本塁打、出塁率.322の成績を収めている。

 木下も183センチ91キロのゴジラ系。ボールが割れんばかりの力強いコンタクトが光る。現時点ではライナー性の押し込む長打が多いが、バットに乗せて角度が出るようになれば、大化けは必至だ。

 3年後、5年後にカープの中軸を担っているのは誰か。大砲の本格化に期待したい。