堅実な守備と走塁で一軍定着を目指すカープの4年目外野手・大盛穂。キャンプから外野ポジション争いを演じているが、秋山翔吾が入団したことで、さらに競争は激化することが予想される。打撃を向上させ、一軍定着を目指す大盛穂の思いとはー。(データは全て取材時点のもの)

今シーズン、一軍では主に代走・守備固めとして27試合に出場。二軍で打撃の課題を克服し、スタメンへの返り咲きを狙う。

◆二軍調整をきっかけに、打撃改革に取り組む

 5月30日の一軍登録抹消は、大盛穂にとって一つの転機になるかもしれない。

 今シーズン二度目の登録抹消を飛躍のきっかけにするため、由宇で汗を流している。

「自分にとって一番の課題はバッティングです。結果が全ての一軍で出場機会を得るためには安定して結果を残す必要があります。そのために、今回の降格をきっかけに、打席での構えやタイミングなど、基本的なところから見直すことにしました」

 シーズン中の打撃フォーム変更は、場合によってはリスクを伴うこともある。ただ、大盛は迷うことなく変更に踏み切った。

「今回は思い切ってガラッと変えます。一軍にいる以上は結果を追い求めていかないといけないので、毎日の練習は目の前の試合に向けての練習になっていました。ただ、二軍では一軍とは違った意識で練習に取り組めています」

 まずは構え方を変えた。そして打席でのタイミング。これまでよりもコンパクトにタイミングを取ることで、投手のモーションに左右されず、常に同じスタンスで打席に入ることを意識している。 その取り組みは、少しずつ結果として表れてきている。

 二軍降格翌日の5月31日のオリックス戦(二軍・由宇)から8試合連続出塁を記録。その間に3試合連続マルチ安打を放つなど、二軍とはいえ、シャープなスイングから放つ力強い打球が増えてきた。

 一軍で活躍するための勇気ある一歩が、新たな未来をつくりつつある。

「目指しているのは一振りでしっかりと仕留めること。それが安定して結果を出すことにもつながっていきます。そのためには、ファーストストライクから自分のスイングができるように準備して打席に入らないといけません。技術面はもちろん、意識の面でも今までは考えてこなかったことをやろうとしているので、まずは二軍でそれをつかみ、自分のものにしたいと思っています。良い結果を残してアピールを続けていきたいです」

 鈴木誠也が抜けた今季のカープ外野陣は群雄割拠。レギュラーと呼べる存在はプロ7年目の西川龍馬しかいない。残り2枠は夏場以降も熾烈な競争が続いていくことが予想される。

 それだけに、俊足巧打が持ち味の大盛にも十分チャンスはある。

 外野守備・走塁は一軍クラスと言っても過言ではないだけに、課題は打撃。再昇格に向けて、大盛の挑戦は続いていく。

■おおもり・みのる    
■1996年8月31日生(25歳) ■180cm/77kg    
■右投左打/外野手 ■大阪府出身    
■飛龍高-静岡産業大-広島(2018年育成ドラフト1位)
【今季成績】
一軍/27試合 32打数 5安打 2打点 0本塁打 打率.156
二軍/15試合 50打数 12安打 4打点 0本塁打 打率.240