39勝42敗3分でセ・リーグ3位につけるカープ。まずは5割復帰が当面の目標となる。今回の笘篠賢治氏のコラムでは、カープの新クリーンアップ・秋山翔吾、マクブルーム、坂倉翔吾について語ってもらった。

7月8日の中日戦で一軍デビューを果たした秋山翔吾

◆21試合連続安打を記録した坂倉、初の球宴出場なるか

 4番を打つマクブルームの状態が上がってきました。7月に入ってから、10日までで打率.414、4本、12打点。7月2日の巨人戦のサヨナラ本塁打は、平内龍太のストレートを打っての一発でした。

 シーズン序盤から変化球の対応は素晴らしかったのですが、速い球には苦しんでいました。そこが課題だっただけに、これは安心材料ですよね。7月7日の阪神戦は桐敷拓馬のツーシーム、9日の中日戦は大野雄大のストレートをスタンドに運び込んでいます。この調子で活躍を続けてもらいたいです。

 そして、その前を打つ3番に秋山翔吾が入ってきました。二軍でもセンター中心の打撃で、素晴らしいものを見せてくれていました。守備では、フェンスにぶつかりながらの好捕もありました。日本球界にアジャストする早さはさすがだなと感じましたね。復帰初戦に2安打したものの、2・3戦目はノーヒットでしたが、すぐに慣れてきてくれるはずです。そこは心配いらないでしょう。

 逆に気になるところといえば野間峻祥です。最近の試合では、ファーストストライクを見送る形が多いんですよね。追い込まれてしまう前に、もっと積極的にいっても良いと思います。

 結果的に出塁できたとしても、甘い球を自分の形で振れているかどうか。今のプレーを見ていると、秋山が入団したことで焦りがあるのかもしれません。ただ、野間は一番ライトで固定して、しっかりとレギュラーとして育てたい選手。体のコンディションもあると思いますが、落ち着いてプレーしてもらいたいですね。

 最後にオールスターの話題を。ファン投票では、カープは11年ぶりに選出なしとなりました。これから選手投票や監督推薦で何選手かは選ばれることになるとは思いますが、ちょっと寂しいですよね。

 複数ポジションをこなしている坂倉将吾は、岡本和真や村上宗隆がいる三塁手でのノミネートだったので、捕手だったらどうだったかな…とも思ってしまいます。ただ、きっと何らかの形で選ばれることにはなるのではないでしょうか。7月8日の中日戦まで21試合連続安打を記録し、阪神・近本光司と最多安打を争っていますからね。

 もし坂倉が選出されたとなると初出場になります。過去に古田敦也さんがオールスターに出て、人が変わったように打ち出したりしました。若い選手からすると、そうそうたるメンバーと一緒にやって、いろんなことを学んだり、話を聞いたりできる場です。それだけでも変わってきますからね。せっかくの場ですから、楽しみながらも有効に活用して、一つでもプラスにできたらいいですよね。