8月6日に開幕した第104回全国高等学校野球選手権大会。予選を勝ち抜いた各県の代表校たちが、高校日本一を賭けて熱戦を繰り広げている。

 カープで活躍する選手たちにも、甲子園を目指して汗を流した青春時代があった。 記憶に残る選手、プロで花開いた選手……カープ選手の高校時代を振り返る。

中京大中京高出身のカープ・堂林翔太

◆長崎が生んだ鯉のヒーロー。菊池雄星と投げ合ったエース右腕・大瀬良大地

大瀬良大地(長崎日大高時代)

 高校時代、長崎では名の知れ渡った投手だった大瀬良大地。長崎日大高3年時の2009年夏の長崎県大会準々決勝ではセンバツの優勝投手であり、のちにチームメートとなる今村猛(清峰)に投げ勝ち、全国への切符を手にした。

 甲子園では初戦で花巻東と対戦。大会屈指の好投手である菊池雄星(ブルージェイズ)と投げ合ったが、5-8で敗れて甲子園を後にした。

 当時の甲子園には現在チームメートの中京大中京の堂林翔太、明豊の今宮健太(ソフトバンク)など、プロが注目する好選手が多数いた。

 大瀬良はプロ志望届を提出せず大学進学。九州共立大で38勝6敗と圧倒的な数字を残してプロ入りを果たした。

おおせら・だいち
1991年6月17日生、長崎県出身
187cm・88kg/右投右打
長崎日大高-九州共立大-広島(2013年ドラフト1位)

◆1年生ながら甲子園でベンチ入り。高校時代は野手としても活躍!・森下暢仁

森下暢仁(大分商高時代)

 東京五輪決勝戦で先発登板するなど、今や日本を代表する投手となった森下。大分商1年時には内野の控えとして甲子園出場を果たし、2年時からは投手と三塁手を兼任。同学年の川瀬晃(ソフトバンク)とともに主軸として活躍した。

 2014年、3年夏の大分大会準々決勝には三塁手として出場したが、チームは0-5で敗戦。

 高校卒業後は明治大に進学し、本格的に投手に転向。4年時には東京六大学のリーグ戦でチームを5シーズンぶりの優勝に導き、ベストナインを受賞。

 2019年ドラフト1位でカープに入団すると、先発として10勝3敗を挙げる活躍で、大瀬良大地以来となる新人王を受賞。先発の柱として欠かせない存在だ。

もりした・まさと
1997年8月25日生、大分県出身
180cm・78kg/右投右打
大分商-明治大-広島(2019年ドラフト1位)

◆決勝で見せた“悔し涙”。投打で甲子園を沸かせた愛知の雄・堂林翔太

堂林翔太(中京大中京高時代)

 愛知県の名門・中京大中京では1年春から投手としてベンチ入りを果たした。2年秋の新チームからエースで4番を任されると、3年春の甲子園出場に大きく貢献した。3年夏の甲子園でもエースで4番を託され、大黒柱としてチームをけん引した。

 大会を通して打率.522、12打点、大会通算最多タイとなる6二塁打を記録するなど打者として大活躍。日本文理との決勝戦では1学年後輩の捕手・磯村嘉孝(現・カープ)とバッテリーを組み、9回表までに10-4と大量リードを奪ったが、勝利目前の9回裏に5点を失い降板。チームは全国制覇を達成した。中京大中京は甲子園史上最多(当時)通算11度目の優勝となった。

どうばやし・しょうた
1991年8月17日生、愛知県出身
183cm・93kg/右投右打
中京大中京高-広島(2009年ドラフト2位)

◆主将として強豪校をけん引。当時からひかる卓越したセンス!・西川龍馬

西川龍馬(敦賀気比高時代)

 福井県の名門・敦賀気比で1年時からレギュラーとして出場。2年秋からは主将としてチームを引っ張り、3年春のセンバツ出場を果たした。

 同年夏の福井大会では準決勝に駒を進め、菅原秀(元・楽天)を擁する福井工大福井高と対戦。3番・ショートとして出場し4打数1安打の成績を残したが、チームは2-4で敗れて甲子園出場とはならなかった。

 その後は社会人野球の王子に入社。1年目から公式戦に出場すると、3年目には3番に定着するなど、社会人屈指の好打者となり、プロ入りを果たした。

 敦賀気比の1学年先輩には吉田正尚(オリックス)がおり、カープの木下元秀は後輩にあたる。

にしかわ・りょうま
1994年12月10日生、大阪府出身
176cm・80kg/右投左打
敦賀気比高-王子-広島(2015年ドラフト5位)

◆ケガを乗り越えて連戦連発。名門の主軸として高校通算49発・林晃汰

林 晃汰(智弁和歌山高時代)

 高校1年秋から智弁和歌山の3番を任されると、近畿大会の初戦で2打席連続本塁打をマーク。2年時には夏の甲子園に初出場し、興南との1回戦で左中間への2ラン本塁打を放った。

 2018年、3年春に再び甲子園出場を決めると、5試合で6打点を上げる活躍で智弁和歌山高18年ぶりのセンバツ準優勝に貢献。3年夏の甲子園では初戦で近江と対戦し7-3で敗戦となった。

 高校在学中に右肘の手術のため一時的に離脱したこともあったが、持ち前の長打力を発揮して高校通算49本塁打を記録。

 岡田俊哉(中日)、西川遥輝(楽天)は同校の先輩にあたり、2020年ドラフト4位でカープに入団した小林樹斗は2学年後輩だ。

はやし・こうた
2000年11月16日生、和歌山県出身
182cm・101kg/右投左打
智弁和歌山高-広島(2018年ドラフト3位)