ーショートを守るようになって、交流戦1巡目までに236と2/3イニング守備につきました。その中で18回ほどダブルプレーに参加していますが、ダブルプレーを取るときに意識していることはありますか。  

「やっぱり取れるダブルプレーに関しては、まずはしっかりと取るということを頭に置きながらやっています。ダブルプレーが取れれば内野手の信頼も上がってくると思うし、ピッチャーも安心して投げられるようになりますから。セカンドもキャンプのときからずっとやってきたこともあり気持ちがわかるので、取りやすい球をセカンドベースに投げるように心掛けています」

ーそのセカンドは、東出輝裕選手(現・一軍野手総合コーチ)と組むことが多いですね。梵選手は東出選手のことをどう分析していますか。

「結構どんな送球にでも対応してくれるし、一塁に投げてくれるから安心しています。だからといって、いい球を投げることに越したことはないので、『今のはどうだった?』というように試合中でも確認をしています。反対に東出からの送球については、僕がセカンドを守っているときよりも安定しているんじゃないですか(笑)。ずっとやっていることもあり、僕の動きに合わせてくれているのかもしれないですけど、いい送球が来ていますよ」

ー今、『常に確認をしている』と言われました。二人は同級生ということもあり、いつも話をしているんですか。

「そうですね。それもありますし、最近はずっと1・2番も打っているので、話をするようにはしています。それに僕は新人です。わからないことも、わからなければいけないことも沢山あるので、そういうときは東出に聞くようにしているんです。東出は自分と似ている部分もあるし、負けず嫌いっぽいので、話しやすいですよ」

ーセカンドもそうですが、ショートはサードとの連携がとても大事になってきます。新井貴浩選手との関係についても教えて下さい。

「三塁線を空ける守備体系の中で、新井さんは三遊間の打球に対してはほとんど捕りにきます。新井さんが捕れそうなら任せているし、取りに来て無理そうなら僕が捕球姿勢に入るというふうにやっているんですが、連携に関しては問題ないですね」

=インタビュー中編へ続く=

《プロフィール》
梵 英心・そよぎ えいしん
1980年10月11日、広島県出身
2006年、日産自動車から即戦力ルーキーとしてカープに入団。2006年に新人王、2010年には盗塁王とゴールデングラブ賞(遊撃手部門)を受賞。2017年カープ退団後は、社会人野球を経て現在はオリックスの打撃コーチを務める。