終盤戦を迎え、熱い戦いが繰り広げられているセ・リーグ。カープは好調左腕の負傷、一軍監督・選手のコロナ離脱などアクシデントに見舞われつつも、緊急昇格した二軍選手たちが奮闘し、まさに総力戦、 “チーム一丸” となった戦いを見せている。

 ここでは、OB・大野豊氏が独自視点で語る、カープ投手陣の分析をお届けする。後半戦に向け、大野氏が投手陣にかける期待とは?(取材は8月上旬。数字は全て8月15日現在のもの)

7月末までに8勝をあげていた床田寛樹。長期の離脱はチームにとっても大きな痛手となった。

◆CS争いを制するためにも、先発の粘りの投球に期待したい

 いよいよシーズンも後半戦に入りました。ちょうど疲れが出てくる頃だとは思いますが、1年戦い抜くためにはここからの頑張りが重要になってきますから、投手陣にはもうひと踏ん張りしてほしいところです。体の疲れは、どのチーム、どの選手にもいえることです。ここからをどう乗り切るかは、カープにとっても大きな課題といえるでしょう。

 6連敗してしまった7月の試合では、先発が早い回に点を取られ、良い流れをつくれないままマウンドを降りるという展開が目立ちました。序盤に失点を重ねてしまい、打線もなかなか点を取れない……となると、どうしても早めに代打を送られ、継投に入ることになります。その一因は打線にもあると思いますが、投手、特に先発陣が、試合の良い流れをつくっていくことも必要になってくるのではないでしょうか。

 そして、8月3日のDeNA戦で負傷してしまった床田寛樹も心配です。今年は大きな期待を受け、その期待に応えてくれていただけに、床田の離脱はチームにとって大きな痛手です。彼自身も非常に悔しい思いをしているでしょうが、まずはしっかりと回復してくれることを願うしかありません。