CS争いに向け、激しい戦いが続くセ・リーグ。カープは先発・床田寛樹の負傷、リリーフ陣の不調、そして一軍監督・選手のコロナ陽性判定などもあり苦しい展開を強いられているものの、緊急昇格した二軍選手たちが奮闘もあり、まさに総力戦、 “チーム一丸” となった戦いを見せている。

 ここでは、OB・大野豊氏が独自視点で語る、カープ投手陣の分析をお届けする。佳境に入った後半戦、大野氏が投手陣にかける期待とは?(取材は8月上旬。数字は全て8月15日現在のもの)

8月6日のピースナイターでは9回に登板。2018年以来の白星をつかんだ一岡竜司。

◆実績豊富な2投手の一軍昇格。流れを変える投球に期待

 7月には、中﨑翔太、一岡竜司の二人が久しぶりに一軍登録されました。中﨑は球威もあり、投球の幅を広げる工夫も重ねているようですが、なかなか本来の投球が取り戻せていない印象を受けます。二人とも経験豊富な投手であるだけに、その経験をもとに、チームの力になれるような投球をしてほしいと思います。

 今シーズンは若い投手が目立つ中、彼らには『復活』というイメージもありますし、若手に負けられないという思いもあるでしょう。チーム状態が悪い時こそ、彼らの投球で流れを変えたり、良いイメージを与えるところを見せてほしいと思います。

 遠藤淳志と同様、新型コロナの療養期間を終えて一軍に復帰したターリーは、前半戦では非常に良い成績を残していました。彼の課題は制球力です。四球を出してランナーを背負った場面でのコントロールに不安視されるところがありますから、ここからは、いかに四球を出さず打者を打ち取れるかがポイントになってくるでしょう。

 ターリーの持ち味は、力強いストレートとスライダーです。得意な球をしっかりと投げ切れば、十分に相手を抑えることができる力を持っていますから、四球から失点というもったいない試合展開を減らしていってもらいたいと思います。