リーグ戦、ルヴァン杯、天皇杯と激戦が続くサンフレッチェ広島。8月には新戦力となる外国人も合流し、ユニホームに“4つ目の星”を刻むべく、紫の戦士たちは着実に勝ち点を積み上げている。

 ここではサンフレッチェ広島・OBの吉田安孝氏が、独自の目線で選んだ、月間(7月10日・湘南戦〜8月6日・鹿島戦)MVP&ベストゴールなどを語っていく。

7月2日の磐田戦では満田誠のFKに頭であわせ、今シーズン初得点をあげた荒木隼人。

◆心身ともタフに進化を続けるDF! 7月には3年ぶりの日本代表招集も

 今回のMVPは、いまや広島の最終ラインに欠かせないDF・荒木隼人に決定!

 今までも相手チームの錚々たるFWとマッチアップを演じてきました。鹿島の鈴木優磨、FC東京のディエゴ・オリヴェイラ、京都のピーター・ウタカ……荒木が繰り広げる彼らとのバトルは、見ているこちらもわくわくさせてくれます。空中戦の強さで右に出る者はいませんし、足元の技術も非常にレベルアップしている。1対1の強さも抜きん出ていますし、試合を決定づけるゴールも決めるなど、大きく成長してくれました。フィジカルの面でも、連戦に対応できるタフさを兼ね備えています。広島の鉄壁DFラインに欠かせない存在となっていますね。

 月間ベストゴールは、8月6日・鹿島戦エゼキエウがあげた2ゴール目です!

 佐々木翔からのパスをワンタッチで前に出し、スプリントでゴール前まで運びました。スピードダウンして相手DFを惑わせたところから、最後はワンステップでシュートを決めた一連の流れも素晴らしい! 緩急のある仕掛け、完璧なコントロールシュート……。どれをとっても見事なゴールでした!

 そして今回の月間ベストゲームは、こちらも8月6日の鹿島戦です!

 フィジカルの強さがある鹿島に対し、DFラインが相手の攻撃をしっかりと押さえ込むことができた好ゲームでした。何より、交代で途中出場した選手たちの活躍が素晴らしかった! 試合の均衡を破る先制点に絡んだ選手は、みんな途中出場の選手たちです。

 「途中出場の選手が、試合の流れを大きく変える」。

 まさに、理想の展開を見せてくれた1戦でした。