次代を担うカープの内野手として期待され続け、今季待望の一軍初ヒットを放った韮澤雄也。花咲徳栄高からカープに入団し、今年でプロ3年目を迎えている。

 プロ1年目は二軍でチーム2位の68試合に出場。2年目は74試合に出場し、4本塁打を放つなど打撃に力強さが増した。二軍とはいえ年数を重ねるごとに結果を残してきた。

8月には一軍に昇格。21日のDeNA戦ではプロ初安打もマークした韮澤雄也。

 3年目の今季、5月3日の巨人戦でプロ初出場を果たした。その後二軍落ちとなったがファームで鍛錬を重ね、8月16日に一軍主軸のコロナによる離脱を受けて再び一軍に昇格。8月17日の中日戦でプロ初スタメンを果たすと、8月21日のDeNA戦ではプロ初ヒットを記録した。

「自分のタイプを考えると打率や出塁率を上げることも必要だなと。今年は強いライナーで右中間・左中間を抜いていくイメージを持って打席に入っています。良い角度でバットが入れば本塁打も狙えるという打球が理想です。開幕直後は飛ばそうという意識が強かったのですが、7月くらいから自分の中で打撃の形ができてきました」

 今季は遊撃手として、二軍でチームトップの出場機会を得ている韮澤だが、1年目は二塁手として、1学年上の小園海斗と共にシーズンを通して二遊間コンビを組んだ。

「小園さんは1年目で一軍の投手から本塁打を放つなど、上で活躍されていたので勉強になる部分が数多くありました。二塁手は初めての経験で、最初はポジショニングなどに苦労しましたが、頻繁に小園さんとコミュニケーションをとり、こなすことができました」

 一軍経験のある小園と共にプレーした時間が韮澤のプレーの質を上げ、起用の幅を広げた。二塁手と遊撃手を経験したからこそ、遊撃手の魅力をこう話す。

「遊撃手は内野の要。どれだけ周りを見てプレーできるかが大事ですし、捕手と同じくらい、視野を広く持たないといけないポジションだと思っています」

 一軍の二遊間は安定しているだけに、今は “いつか” に備えて鍛錬する時間だ。韮澤には二軍で結果を残し続けることが求められている。近い将来、今度は一軍の舞台で小園・韮澤の二遊間が見れる日を楽しみに待ちたい。

《プロフィール》
韮澤雄也●にらさわ ゆうや
2001年5月20日生、新潟県出身
178cm・83kg/右投左打/内野手
花咲徳栄高-広島(2019年ドラフト4位)