9月23日の阪神戦に敗れたことでCS進出が苦しくなったカープ。振り返ると、9月14日の阪神戦であと一歩届かず勝利を逃したことも大きかった。熱戦が続いた9月中旬の戦いをOBの笘篠賢治氏に語ってもらい、残り3試合の戦い方を探っていく。

 

◆配球で防げたかもしれない梅野の逆転打

 9月14日の阪神戦は勝てそうなところまで持っていったのですが、あと一歩届かず。連勝を飾ってどうにかゲーム差0に並びたかったところですが、チームみんなが全力で戦っているのは見ていて伝わってきました。

 9月10日のヤクルト戦は打線爆発で3回に12得点。22安打15得点を記録した7月23日と同様に、山田弥希寿アナと一緒にラジオの解説をしていたのですが、またしてもすごかったですね。

 2-1と勝ち越したあとに、2死満塁から投手の野村祐輔がつないだことがビッグイニングをつくり出した要因でしょう。そして、困ったときの上本崇司ですよ。10年目にしてプロ初本塁打が飛び出しました。9月13日の甲子園でもあと少しであわや第2号という当たり。菊池涼介がベンチスタートとなっているなか、良いものを見せてくれています。

 秋山翔吾の不在が続くのは痛いですが、それを感じさせないような戦いができていますよね。西川龍馬も秋山の代わりに三番に入ってから当たっていますし、マクブルームも段々と良い状態になってきています。

 そうなると、主軸がしっかりとしてきたところで、得点能力を上げるためには、一、二番の役割が重要になってきます。ここ数試合は堂林翔太の調子が落ちてきて、野間峻祥が一番に入っていますが、ここでチャンスをつくって主軸に回すことができるか。羽月隆太郎もいいところで打ってくれていますし、菊池もそろそろ戻ってくるでしょう。一、二番で打線に勢いをつけてもらいたいですね。

 気になったところをあげるとしたら、9月14日の阪神戦。6回裏に梅野隆太郎に逆転三塁打を浴びたシーンです。

 ハマっているときの會澤翼のリードは手をつけられないんですけど、外いっぱいの良い球がボール判定になって、そこにこだわったのか、外を続けて要求して甘く入ったところを打たれてしまいました。2ボール2ストライクとまだ有利なカウントだったので、一つインサイドを見せておいて、外が多少甘くなっても打ち取れるようにしておければよかったかなとも思いました。

 CS進出に向けて阪神や巨人の勝敗も気になりますが、まずは自分たちが目の前の試合を全力で戦い、勝ちを積み重ねることが大事です。選手たちもそう思っているはずなので、最後まで応援していきましょう。