思わず心を奪われる!カープの話題をゆる~くまったりと展開してくれる“オギリマワールド”。関東出身ながら中学生からカープファン。独自のタッチで描かれるイラストを交えたコラムでおなじみのオギリマサホが、広島アスリートマガジンWEBで、新たなカープの魅力を切り取る。今回はカープのユニホームについて、オギリマ視点でゆる~く取り上げる!

◆14年という着用年数が示す愛着度

 先月、カープの新しいユニフォームがお披露目され、私は少なからず驚いた。新ユニホームのデザインに驚いたというより、何となく現行のユニホームがずっと続くようなイメージを持ってしまっていたので、「ユニホーム、いま変わるのか」という驚きである。

 今シーズンまでのユニホームは、本拠地がマツダスタジアムになった2009年から着用され始めたもので、今シーズンで丸14年となった。1977~88年まで着用された花文字ロゴの「CARP」ユニを超えて、歴代最長の着用年数となったわけである。

 他球団がサードユニホームを導入してデザインのバリエーションを増やす中、カープはイベント時の限定ユニなどはあれど、基本的にはずっと同じデザインを使用し続けてきた。それは現行ユニのデザインが、シンプルで完成されたものだったからだと思う。

 4年前、私は試しに、カープの歴代ユニホームの着用時勝率を調べてみた。現行ユニの2009年~2018年9月2日までの勝率は、ホームユニで.554、ビジターユニで.468となり、1977~88年のホームユニの勝率.588に次いで現行ホームユニの勝率が高いという結果が出たのである(試合はペナントレース・CS・日本シリーズの勝敗を数え、限定ユニ着用時の勝敗は除いている)。

 その後、現行ユニの勝率はどのように変化したのだろう。今シーズンで役割を終えることが決まった今、改めて現行ユニの勝率を計算してみた。

 2009~2022年の14シーズンで、ホームユニは478勝436敗(限定ユニ39試合は除く)で勝率.523、ビジターユニは447勝518敗(限定ユニ6試合は除く)で勝率.463という結果になった。70~80年代の赤紺の花文字ユニ、90年代前半のCマークユニには劣るものの、90年代後半の花文字ユニ、2000年代の縦縞ユニよりは勝率が高いということになる。

 勝率的には、私が4年前に思っていたような「将来的に、現行ユニはカープの黄金期を象徴するデザインになるだろう」という予想は当たらなかったわけだが、それでも2016~18年の三連覇を支えたユニホームであり、人々の印象は強く残っているはずである。何より14年という着用年数が、このデザインが多くの人に受け入れられたことを物語っている。

 来シーズンからの新デザインのユニホームは、見ている側にとってもまだ慣れない部分がある。しかし選手たちが着用してプレーをしていく中で、次第に馴染んでいくのだろう。新ユニホームを印象付けるような、素晴らしいプレーに期待したいと思う。

 

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オギリマサホ
1976年東京都出身。イラストレーターとして雑誌や書籍等の挿絵を手掛けるかたわら、2018年より文春オンライン「文春野球コラム」でカープ担当となり独自の視点のイラストコラムを発表。著書に『斜め下からカープ論』(文春文庫)がある。