2022年度 三井ゴールデングラブ賞が発表された。カープからは、二塁手菊池涼介が、投手部門で森下暢仁が受賞。菊池は10年連続10度目の受賞となり、カープのレジェンド・山本浩二に並ぶ連続受賞記録となった。

 広島アスリートマガジンでは、これまで、菊池涼介の声をファンに届けるインタビューを掲載してきた。ここでは、2019シーズン総括特別増刊号に掲載した独占インタビューの一部を、再編集して掲載する。 

 4連覇を目指し臨んだ2019年、チームは苦戦を強いられた。 自身を取り巻く環境にさまざまな変化が起こる中、菊池はどんな思いでシーズンを戦い抜いたのか? シーズン終了直後の背番号33が語る、チームへの思いに迫った。

2019年には138試合に出場し、143安打48打点をあげた菊池。守備でもチームに大きく貢献し、この年、 7年連続でのゴールデン・グラブ賞を受賞している。

◆チームの中で、マイナスもプラスの要素もあるシーズンだった

─4連覇を目指した今季、チームのメンバーに変化がある中でどういう意気込みで臨みましたか? また、チームにとってどんなシーズンだったと感じていますか?

「意気込み自体に変わりはありませんでしたね。(田中)広輔があそこまで調子を崩して心配はしていましたけどね……。打破する引き出しがなかったというかね。僕も声をかけてはいても、そこを変えてあげられる人たちがいなかったですね。やっぱり新井さん(貴浩、現・カープ監督)がいないということは、そこで痛感しました。僕たちで何とかできると思う部分はあったと思いますけど、なかなかできなくて申し訳なかったです。それで広輔が手術ということになり、それでも小園(海斗)が出てきて。チームの中でマイナスもあればプラスの要素もどっちもある、そういうシーズンだったんじゃないですかね」

─長く二遊間コンビを組んできた田中選手の離脱は、菊池選手の中で大きな出来事でしたか? 

「コンビとしてずっとやっていましたからね。(小園海斗と二遊間を組んで)やっぱりゲッツーのタイミングとか難しいですしね。僕がセカンドベースに入って、小園の送球速度も最初は分からないし、そういう部分は最後まで難しかったです。やっぱり若いからどこまでも(打球を)追ってくるし、譲らなきゃいけないところもあります。僕と広輔に阿吽の呼吸というか、『ここまではお前でここまでは俺だ』ということはあっても、小園はイケイケドンドンというか、やっぱ若いし。そういう譲り合いがあったり、なかったりという難しいところはありました」

─二遊間コンビの難しさを改めて感じたシーズンでもあったのですね。

「それは、ずっとキャンプも含めて何年もやってきて、気付くことができる呼吸、勘だったりというのは、続けていかなければ分かりませんでしたしね。それこそ僕が若い頃にコンビを組ませてもらった梵さん(英心、現・オリックスコーチ)もそうだったと思いますし。そういうことを思い出すこともありました」