バティスタ選手の離脱から、チームはカード負け越しが増え始めた。

 8月7日、球界、そしてファンの間に激震が走った。日本野球機構(NPB)がバティスタに対して行ったドーピング検査で陽性反応が出たことを発表。キャリアハイの数字でチームを牽引してきた助っ人に対し、カープは同日付で出場選手登録を抹消した。

 経緯としては6月7日のソフトバンク戦後に実施された尿検査で同選手のA抗体から陽性反応が検出され、その後のB抗体の検査でも8月16日に陽性を確認。DeNA3連戦の真っ只中だったが、すぐに横浜から広島に戻され球団からは自宅謹慎を命じられた。

 NPBアンチドーピング規定に基づき弁明の機会を得たバティスタは、当事案に関して経緯を説明。事実や弁明の内容をもとに調査裁定委員会が開かれ、その結果、同選手に対しドーピング違反で『9月3日から20年3月2日まで6カ月間の出場停止処分』が科されることが発表された。

 NPBから科された処分を受け、バティスタは9月10日にドミニカ共和国に帰国。同国のウインターリーグに参加するなど動きは見られるが、来季以降のカープとの契約が白紙状態であることに変わりはない。103試合に出場し26本塁打、64打点を叩き出した打力は魅力だが、事が事だけに球団としても慎重な判断を迫られることになるだろう。

 バティスタの好不調がそのままチーム状況に反映される面もあっただけに、勝負所での離脱はチーム成績に大きな影響を及ぼした。スポーツの根幹に関わる問題でもあり、今後の経過にも注目したい。