◆若手の底上げが優勝の鍵に。そして、忘れられない名シーン
ー数々の名場面があった今シーズンですが、新井選手自身が印象に残った試合はありますか?
「一番印象に残ったのは8月7日の巨人戦(マツダスタジアム)ですね。やはり2位巨人との直接対決でしたし、2連敗してゲーム差が4.5まで迫られ、負ければ3.5となってしまう状況でした。残り試合を考えると、この試合の勝利は巨人側にすごくダメージを与えられた一戦だったと思います。もしあの試合で負けていたら、その後はどうなっていたか分からなかったと感じます」
ーその試合は新井選手のバットで劇的な幕切れとなりました。
「僕のサヨナラ打はおまけみたいなものだと思います。やはり2アウトランナーなしからキク(菊池涼介)が同点弾を放ったのは今でも忘れられない場面ですよね」
ーリーグ優勝することができた大きな要因は、新井選手自身どこにあると感じられていますか?
「これは、たくさん要素があるので、一つには絞りきれないですね。たくさんの要素が重なり合った結果、リーグ優勝につながったと思います」
ーその要素の中でも若手選手たちの成長も大きいのではないでしょうか?
「本当にみんな成長したと思います。それくらい競争が活性化されていたと思います。その中でも(鈴木)誠也は筆頭格ですが、安部(友裕)、下水流(昂)、ルーキーの西川(龍馬)も頑張っていました。あと堂林(翔太)にしても試合数こそ少ないですが、彼も昨季に比べれば、シーズン終盤には成長をしていると感じました。若手の力が底上げされていると思います」
ー若手選手たちの成長を感じることで、新井選手自身も刺激となる部分もあったのではないでしょうか?
「僕自身は若手の成長を感じて『ウカウカしていられない』というような気持ちはありません。もちろんプロ野球選手として常に試合に出たいという気持ちはありますし、〝まだ負けんぞ!〟という思いは常にあります。その気持ちがなくなったときは終わりだと思っています。ですが、その中でも半分は『お前らもっと出てこい!』『新井さん試合に出なくてもいいですよ!』という状況になってほしい自分もいます。若手が頑張って結果を出したら、それは純粋にうれしいと思っています」