2022年ドラフト会議から約1カ月が過ぎた。カープは育成を含む10選手を指名。続々と新入団選手の仮契約が行われ、スカウトと握手をかわす選手たちの姿が報道されている。

 ここでは、過去カープが指名した選手たちの入団会見の様子を振り返っていく。

 今回振り返る2008年のドラフト会議では、大田泰示(東海大相模高、現・DeNA)にソフトバンク・巨人が1位指名で競合。社会人では長野久義(ホンダ、現・巨人)がロッテから指名を受けるが入団を見送るなど話題を集めた。

 高校生・大学生・社会人の分離ドラフト制が撤廃されたこの年、カープが指名した選手は5選手。救援投手として大車輪の活躍を見せた選手から、現在スコアラーとしてチームを支えるあの選手まで……入団当時の彼らのコメントをお届けする。

(前列右から中田、岩本、後列右から松田、小松、申)

◆光の先に新時代を望む

 あざやかな赤の帽子を被り、真新しいユニフォームを身につけ、主役たちは笑顔を見せた。壇上は夢と希望にきらめき、まばゆい光は未来への喜びを伝える。2008年12月16日、5人の新入団選手が記者会見を行い、プロへの期待や意気込みを口にした。

◆ドラフト1位/岩本貴裕(亜細亜大)

 今からカープのユニホームを着て戦っていくんだなという実感が沸いてきました。チームのために頑張れたらいいと思います。自分がずっと生まれ育ってきた広島で、小さい頃から球場で応援してきたカープに入れるのはうれしいです。新しい球場でできるのはとても嬉しいし、自分がやることは球場がどこでも変わりません。自分は打撃、中でも反対方向の打球が持ち味なので、プロの世界でも見せたいです。小学校1年生のときからここまで野球をさせてくれた親に感謝しています。今まで支えてくれた人のために一生懸命プレーしたい。全力で泥だらけになって頑張っていきたいです。

◆ドラフト2位/中田 廉(広陵高)

 入団させていただきすごく光栄です。自信のある球は真っ直ぐです。技術はまだまだですが、気持ちだけは負けたくない。どんな打者にも真っ直ぐで勝負して、気持ちでは負けたくないです。セールスポイントは『気持ち』です。高校の先輩で、球界を代表する打者である阪神の金本(知憲)選手と対戦したい。真っ直ぐでインコースを突きたいと思います。今の自分があるのは周りの人のおかげ。支えてくれた人のためにもプロで活躍して、日本を代表する投手になって恩返ししたいです。気持ちだけは絶対に負けない投手になる。カープを日本一にします!

◆ドラフト3位/小松 剛(法政大)

 野球人としてやっとスタートラインに立てたという実感が沸いてきました。カープはファンの方々の情熱や熱さが印象的で、球場の雰囲気もいいし、すごくいいイメージがあります。勝負所での真っ直ぐやインコースを突くシュートが持ち味。プロの世界で活躍している打者の皆さんと対戦してみたいです。新球場で投げるイメージはあるので、恥じないよう頑張りたいです。大学出身の岩本と同じチームになりいい刺激になると思いますし、切磋琢磨してカープを自分たちが引っ張っていくつもりでやりたい。誰よりも熱く、誰よりも真剣な気持ちを持った選手になりたいです。

◆ドラフト4位/ 申 成鉉(京都国際高)

  今日は緊張しています。このユニホームを見ていると、自分もプロに入ったんだという感じがします。実力はまだまだですが、飛ばせる力はあると思います。ここに来ているお父さんとお母さんに感謝しています。自分に野球を教えてくれた人たちにも感謝しています。ホームランバッターになりたいので、頑張ります!

◆育成ドラフト1位/松田翔太(金沢学院東高)

 3カ月くらい前まではこうなれると思っていなかったので、とても嬉しいです。カープは一人ひとりがチームのために、ひとつの勝利を必死で取りにいく球団。チームプレーが好きなので、入団したみんなとチームの和を大切にしてやっていきたいです。体は細いけどひじのしなりや体のしなやかさでは全国の誰にも負けない。それをなくさないよう、この体を磨き上げていきたいです。そしてカープを優勝させて、みんなを感動させて新しい時代を作りたいと思います。まだ誰も僕のことを知らないと思いますが、これから覚えてもらえるようしっかり鍛えたいと思います。

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